被告人質問のチグハグさの“正体”

 

被告人「……いや、違います」

弁護人「調書には書いてありますよ。咄嗟にウソを言ってしまうクセがある、と」

 質問されると、とりあえずウソをついたり否定したりするクセがあるようです。無自覚にウソをついてしまう人だったんですね。そう言われると、被告人質問のチグハグさの謎が解けたように思えてきます。

弁護人「盗んだお金って返してます?」

被告人「……はい」

弁護人「園長を挟んで、やり取りしてたんですよね。お金がないので、2回に分割して払うと」

被告人「……そうです」

弁護人「1回目は振り込んでますけど、2回目は?」

被告人「…園長先生が…いないという…ので…保育園の…ポストに…入れまして…」

弁護人「ん? ポストに入れた? 2回目のお金は振り込んでないのに、園長には支払った、とウソの報告してませんか?」

被告人「…お金に困って…まだ…」

 盗んだお金の弁済は2回に分けて振り込むと約束して、金銭に困って2回目の振り込みをしてないのに振り込んだとウソを伝えてたようです。被害者としては、めちゃくちゃ馬鹿にされたように受け取るでしょうね。

弁護人「あなたは兄と一緒に暮らしていると。それで、職場の保育園に通う電車代も持ってなかったということですが、お兄さんに交通費の相談しましたか?」

被告人「いや…中国に出張してたので…」

弁護人「通勤の交通費はあとで給料と一緒に支払われることになっていた、と。そもそも手持ちもほとんどなくて保育園に通えなかったんでしょ? 電車に乗らなくても通える近所の仕事を探さないと。面接で交通費がないことを園長に相談できなかった? 保育士の仕事したかったんでしょ?」

被告人「初対面なので…言えませんでした」

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バカ裁判傍聴記

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