毎年いち早く春の知らせが届く伊豆半島へ、花を愛で、春風を感じる旅に出かけてみませんか? 季節の花を巡り愛でる、名付けて「伊豆花遍路」。まずめざすのは、東京から新幹線で約45分、伊豆半島の付け根に位置する熱海へ。

 坪内逍遙、谷崎潤一郎、太宰治といった、文豪たちが愛した街としても広く知られるブンガクの街、熱海の「伊豆花遍路」の楽しみ方をご案内しましょう。

 今回は、熱海の自然を楽しむ見どころスポットを紹介します。

日本一早咲きの梅、そして遅い紅葉で有名な熱海梅園内。樹齢100年を超える梅の古木を含め約60品種、450本以上もの木々は、梅に始まり、桜、新緑、紅葉と四季それぞれの風情が楽しめる。

◆来宮神社

通称“眼鏡トンネル”から見た来宮神社の鳥居。このトンネルがすでに参道のようで、潜ると御利益も増す!?

 熱海郷の地主の神が鎮座する来宮神社は、山の気と水の気の両方を持つ日本屈指のパワースポットとして来福・縁起を願う女性参拝者でつねに賑わっています。御神木の第一大楠は樹齢2000年以上と言われ、幹をひと廻りすると寿命が1年延命する伝説があります。また御祭神への供物にまつわる古記に倣って、周辺の菓子店や飲食店が神社に縁のある麦こがしなどを使用した食べ物をつくり、それらは現在「来福スウィーツ」と呼ばれ神社直営カフェなどで人気メニューとなっています。

社伝によると木の根を御神体としたことに由来して「キノミヤ」と称されたという。「忌の宮」と解し、禁酒など断ち物の祈願をする人も多いのだとか。

来宮神社
所在地 静岡県熱海市西山町43-1
電話番号 0557-82-2241
URL http://www.kinomiya.or.jp/
※「伊豆花遍路」手ぬぐい販売&スタンプ設置スポット。詳しくはこちら(外部リンク)。

◆熱海梅園

園内の面積は約1万4000坪。温泉でのリラクゼーションの一環で、遊歩公園として造成された。

 伊藤博文の提案で造成された広大な熱海梅園では、2016年3月6日(日)まで第72回「梅まつり」を開催しています。水戸偕楽園、越生梅林とともに関東三大梅林のひとつで、樹齢100年を越える梅の古木を含め59品種 472本の梅が、 早咲き→中咲き→遅咲きと順番に開花。梅まつりの期間中は、ずっと梅の見ごろが続きます。また園内の八重寒紅(紅梅)と冬至梅(白梅)は、天皇陛下への献上花としても有名。

開花状況は熱海市ホームページ(外部リンク)で確認できる。

熱海梅園
所在地 静岡県熱海市梅園町8-11
URL http://www.city.atami.shizuoka.jp/page.php?p_id=173

◆糸川遊歩道

糸川遊歩道周辺にはレトロな喫茶店も多く、「花より団子」派にも注目のエリア!?

 熱海の街の中心部を流れる糸川に沿った、300メートル程の遊歩道には御成橋、新柳橋、ドラゴン橋、桜橋、糸川橋などそれぞれ個性的なモニュメントを配した小さな橋が架かり、周辺には約60本の「あたみ桜」が咲き誇っています。「糸川桜まつり」は2016年2月14日(日)まで開催。期間中には夜間のライトアップ、土日祝日の桜茶振る舞いサービスなども。

糸川遊歩道
所在地 静岡県熱海市銀座町周辺
電話番号 0557-86-6218(熱海市都市整備課)
URL http://www.pref.shizuoka.jp/kankyou/ka-080/sakura/meisyo/joho_itogawayuuhodou.html

2016.01.22(金)
取材・文=多田洋一
撮影=釜谷洋史