Magnificent View #819
ウエストミンスター寺院(イギリス)

(C) Robert Harding Images / Masterfile / amanaimages

 英国国王の戴冠式を執り行う場として、また、ロイヤルウエディングの舞台として知られるイギリス国教会の教会、ウエストミンスター寺院。近年では、ウイリアム王子とキャサリン妃の結婚式が記憶に新しい。

 前身は960年に創立されたベネディクト派修道院。現在の建物は、ヘンリー3世がフランスのゴシック建築に倣い、再建したものだ。再建工事は1245年に着手され14世紀末までにほぼ完成したが、正面部分は16世紀初め、塔は17世紀と、長期に亘って増築されている。

 ここには、王室や国家に貢献した人物、政治家などが埋葬されている。床や壁に刻まれた墓碑銘には、科学者ニュートンやダーウィン、音楽家のヘンデルなど、英国が世界に誇る著名人の名前がずらり。ここに埋葬されることは名誉とされているが、墓地はすでに満杯なのだとか。

 この教会の近くには、「ウエストミンスター大聖堂」というカトリックの教会がある。似ているため混同しがちな両建物の名前は、アガサ・クリスティの推理小説「ゴルフ場殺人事件」でもトリックにも使われている。

Column

今日の絶景

この広い地球上には、まだまだ知られざる素晴らしい景色がある。思わず息を飲んでしまう雄大な自然、ミステリーにあふれた驚きの奇観、そして、人間の文明が刻んだ偉大な足跡……。ここに、選りすぐりの絶景をお届けします。さあ、ヴァーチャルな世界旅行へと出かけよう!

2015.12.28(月)
文=芹澤和美