クリスマスマーケットを撮影するコツ その1
「その国の歴史や文化をより深く知る」
その国の歴史や文化、生活様式などが色濃く反映されるクリスマスマーケットでは、ツリーやイルミネーションを撮るだけではつまらない。もっと深くて濃~い意味を含んだ写真を撮るために、その国について学ぶ姿勢が大事なのである。
このプラハは、かつてのボヘミア王国の首都であり、厳しい歴史を包み込む懐の深さと強さを秘めている。1989年に当時チェコスロバキアに属していたこの地でビロード革命が起き、1993年の分離独立をもって「チェコ共和国」は誕生した。
激動の歴史にもかかわらず、大きな破壊から免れたため中世の街並みを今に留めるこの都市に対しては、「魔法の都」「百塔の町」など、訪れる人からの賛辞が絶えない。
クリスマスには鯉を食べる習慣があり、街中に鯉売りの露店がでる。その鯉を買い、自宅のバスタブに水を張ってクリスマスの日まで泥を吐かせる。そして当日はそれをさばいてフライにするのである。このように、その国を知ることは写真を撮る上で役立つ。どこにフォーカスすればよいか、自ずとわかってくるのである。
右:街角ではツリー売りがあちらこちらに出没する。
2015.12.16(水)
文・撮影=山口規子