Magnificent View #803
ボロブドゥール寺院(インドネシア)

(C) Robert Harding Images / Masterfile / amanaimages

 ジャワ島中部のケドゥ盆地にあるボロブドゥール寺院は、カンボジアのアンコール・ワット、ミャンマーのバガンと並ぶ、世界三大仏教遺跡のひとつ。

 9層の石壇がピラミッド状に積み上げられた建造物は、仏教における宇宙観を、立体の曼荼羅として表している。各層の壁には、釈迦誕生図などの物語がレリーフで描かれ、これらを見ながら上層階に上っていくと、悟りの道が開けるのだという。

 寺院は、8世紀に栄えたシャイレーンドラ王朝によって建造されたとされている。壮大かつ綿密に造られたものながら、完成後まもなくジャングルの中に埋もれ、1000年以上も人々の記憶から忘れ去られていた。その理由は、火山の噴火によるもの、イスラム教徒の破壊を恐れて埋めたというものなど、諸説が囁かれている。

 ジャワ準知事を務めたイギリス人、トーマス・ラッフルズによって発見されたのは、1841年のこと。その後、大規模な発掘調査が行われたものの、いまだ解明されていない部分は多いという。

Column

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2015.12.12(土)
文=芹澤和美