vol.18_Jurlique
ジュリークの上陸で日本人のオーガニック意識が変わった
食の世界のみならずビューティの分野でも「オーガニック」への意識は高まる一方。自然界の恵みを体や肌に取り込んで健やかに美しく。そんなこだわりを持つ自分も好き!?
ハマる理由はさまざまだが、日本のコスメ界でも着実に勢力を拡大している。そのパイオニア的存在が1997年に日本上陸を果たしたジュリークだ。オーガニックの先進国と言われるオーストラリアのブランド。誕生したのは1985年のこと。
「ジュリークの創始者は科学者のDr.クラインと植物学者であるウルリケ夫人のドイツ人の夫婦。“植物には万能の力がある”という考えのもと、その効果やヒーリング、香りの作用をそのまま届ける化粧品を作りたいと。汚染されていない土壌と環境、寒暖の差が激しく植物が逞しく育つ地中海性気候の地を求めて世界中を巡り、辿り着いたのが南オーストラリアのアデレードでした。この地に移住して自社農園を開拓し、ブランド誕生へと至ったのです」と話すのはジュリーク・ジャパン PRマネージャーの五耒千里さん。
「オーガニック」を掲げるコスメブランドは数多くあるけれど自前の畑を持っているブランドはそうないはず。2006年にはオーストラリア持続農法協会NASAAによりバイオダイナミック無農薬有機農法の認証を取得。以来、「究極の循環型オーガニック農法」のお墨付きを毎年更新しているお宝農園なのである。
「自社農園で採れたオーガニック成分を最低でも85%以上使用し、栽培がむずかしい植物や海由来の成分は厳選して取り入れる。製品によってほぼ100%オーガニックもありますし、自然由来成分で作ったものもあるのでナチュラルオーガニックブランドと定義づけています」(五耒さん)
畑作りも半端じゃないけど化粧品作りにも独自のこだわりが。その核となるのが現代の自然科学と古代エジプトの技術を融合した“バイオイントリンジック製法”だ。
「最も特徴的なのは最初に専門のブレンダーによる調合が行われること。そこで厳選された植物やハーブ、花びら一枚一枚を蒸留してエッセンシャルオイルとフローラルウォーターを抽出し、必要な成分をろ過。取り出した後の植物や花びらを燃やして残った灰からもミネラル成分を取り出して。これらを再結合することで新しい有機成分に生まれ変わらせます。ブランド誕生から30年経った今も変わらないジュリーク独自の製法です」(五耒さん)
2015.11.05(木)
文=吉田昌佐美
撮影=西原秀岳