大人気ブロガーよりのまさみさんの著書『弁当パフォーマーまさきちの弁当ごよみ十二カ月』の巻末に収録している、「まさきちの弁当詰め方講座」の拡大版をお届けします。同じおかず・お弁当箱でも、詰め方次第で、ふたを開けた時の「おいしそう!」というインパクトがまったくちがうのです。お弁当のレシピは本書(文藝春秋BOOKSで詳しく見る)または前著『弁当パフォーマーまさきちの 弁当は人生だ!』を参考にしてくださいね。

 朝方のひんやりした空気に、深まる秋の気配を感じる今日この頃ですが、いかがお過ごしでしょうか。ご無沙汰致しております、よりのです。

 さて、今回で7回目になります弁当詰め方道場ですが、新しい門下生をお迎え致しました。新門下生Uさんが作って来てくださったのは、サンドイッチ弁当。ポカポカなお天気のいい日は、サンドイッチ弁当持参で出かけるのも楽しいものですよね。

 さぁ、早速拝見させていただきましょう。

【Before】Uさんの「サンドイッチ弁当」

[今回のお弁当]
卵サンド/ハムきゅうりサンド/アスパラ入りジャーマンポテト/簡単ピクルス(にんじん)/プチトマト

「サンドイッチ用の食パンを真ん中で半分に切ると、用意したお弁当箱の幅にちょうどぴったり入るので、まずはサンドイッチの場所を決めました。また、切り口をカラフルに見せたかったので、フィリングを卵とハム&キュウリにして交互に並べました。と、お弁当を詰める前に考えていたのはここまで。サンドイッチを詰めたあとで、思ったよりも残りのスペースが広いことに気付き、うーん、このあとはどうしようかと、頭を悩ませるハメに。

 とりあえずボリュームのあるジャーマンポテトを残りの上半分におさめ、下半分を二等分してにんじんのピクルスと、プチトマトのエリアに。ジャーマンポテトは具材が見えるように整えてみたのですが、“炒めました”感がそのまんま。にんじんのピクルスは、断面が揃っていないので、まるで丸太を割った薪のような雰囲気に。プチトマトも“最後のスペースを埋めるために入れました”という本音が丸出し。なんだか、手入れの行き届いていない“山小屋”みたいなお弁当になってしまいました。

 今回は、会社で食べるお弁当としてはもちろん、あわよくばピクニックデートに持って行けるものにしたいと思い、3個入り200円のカラフルな使い捨てランチボックスを用意して、ウキウキしながら作ったのですが……。これでは“手作り弁当デート作戦”も、あえなく玉砕となる予感がしてなりません。山小屋じゃなくて、ログハウスを思わせる、おしゃれなお弁当にならないものでしょうか」(Uさん)

 フフフフ。

 あ、ごめんなさい。“山小屋”で思わず笑ってしまいました。

 でも、全然山小屋じゃないと思いますよ。キチンとキレイに詰められていて、“手入れの行き届いていない”どころか、逆に遊びがなく、面白味がないほどです。

 そう。このサンドイッチ弁当は、せっかくのギンガムチェックが物悲しく思えるほど、寂しい感じがするのです。ピクニックデートならばなおのこと、もっとポップで元気な感じが欲しいですよね。ということで、いつものように、同じおかずで、同じ弁当箱を使って作ってみましょう。

 まずは、完成形をご覧いただきましょう。

 では、順を追って詰め方を見ていきましょう。

2015.10.28(水)
文・撮影=よりのまさみ