東京もいよいよ桜の季節。

 東京地方では、千代田区の靖国神社の中に植えられた、ある桜の木に花が咲いた日に「開花」が宣言されます。桜の名所は東京にいくつもありますが、その靖国神社を含む「都心の桜」の満開の様子をお伝えします。コラムの最後には、桜散策と一緒に楽しみたい、美味しいテイクアウトごはん情報もちょっぴりご紹介!

 今年の桜シーズンも、よいお天気に恵まれますように。

浮世絵にも多く描かれた「上野の山」の桜

上野恩賜公園内に咲き誇るソメイヨシノ。天海僧正が移植させた吉野の桜は残ってはいませんが、「上野桜守の会」という団体が少しずつ桜の木を足し、美しさを守っているのだとか。

 江戸時代から桜の名所として知られる「上野の山」、上野恩賜公園。その中心としてある寛永寺が建てられた際に、桜を愛する天海僧正によって奈良の吉野山から桜の木が取り寄せられ、移植されたのが始まりといわれています。

 現在公園内には約1200本もの桜の木が。そのうち1000本ほどはソメイヨシノで、ほぼ一斉に開花となります。巨大ターミナル駅の上野駅からアクセスしやすいこともあり、見ごろには全国から花見客が押し寄せます。

 上野恩賜公園の中に位置する天然の池・不忍池は、春には桜、夏には蓮の花、秋には紅葉と、季節を通じて美しい風景の広がる、江戸時代から浮世絵にも多く描かれた場所。野鳥の生息地としても重要な役割をもつため、のんびり羽を休める鳥たちの姿がよく見られます。

 池といえば……なボート乗り場には、カラフルなスワンボートがぷかぷか。桜の薄桃色に映えて、おとぎ話の中のようなファンシーな眺めを楽しむことができます。

不忍池は野鳥の生息地。ぷっくりカワイイ鳥さんたちの姿も楽しめます。エサをあげたくなるけど、そこはガマン。

2015.03.22(日)
撮影=三浦英絵