世界的ヒットを経て再び演じる、敷島浩一役
第96回アカデミー賞®でアジア映画初となる視覚効果賞を受賞した前作『ゴジラ-1.0』の衝撃から3年。山崎貴監督が再びメガホンを取り、9月にニューヨーク映画祭で世界初上映され、海外メディアからも高評価が相次ぎ、公開前から大きな熱狂を呼んだ『ゴジラ-0.0』が公開中だ。
今作でも主役の敷島浩一を演じたのは俳優・神木隆之介。前作では戦争を生き残ったことへの罪悪感を抱えながらゴジラとの決戦に挑んだ敷島だったが、今作では、妻の典子や娘の明子という守るべき存在を得たことでキャラクターにも変化が生まれたという。
今回は、そんな敷島というキャラクターを再びどう演じたのか、さらには撮影時の裏話から、海の向こうに広がったゴジラへの熱狂など、神木隆之介本人に詳しく聞いた。
» 後篇を読む
「前作を絶対に超える」山崎組で感じた熱量と敷島の変化
――再び敷島浩一を演じると決まったとき、どんなことを思いましたか。
純粋に嬉しかったですね。続編という形で同じ役を演じること、しかも、それがゴジラという作品だったということは、本当に幸運だったと思っています。ただ、同時にまたゴジラと絶望に立ち向かっていかなければいけない重荷も感じました。それほど、前作で敷島役を演じるのは簡単なことではなかったので。
――前作の世界的ヒットを受けて、現場の山崎組にはどんな空気が流れていたのでしょう。
山崎監督との撮影では、監督がいつも純粋に制作を楽しみながら、少年のようにゴジラ愛を語ってくれるんです。それに対して演者の僕らもスタッフの皆さんも、「この人をもっと喜ばせたい」「驚かせたい」という思いを抱いていて、こういうコアな部分は前作と同様にありました。
ただ、今回圧倒的に違っていたのは、その熱量がさらに大きかったことですね。現場の誰しも「前作を絶対に超えてやる!」という強い意思を持っていましたし、「監督の思い描いている以上のものを我々が形にしなければいけない!」と一致団結できたのは、仕事環境としてめちゃくちゃ熱かったです。
――前作では典子や明子と家族になろうとしていた敷島が、今回はその先の時間を生きています。そうした変化を神木さんはどのように捉えて演じましたか。
実は、あまり役作りに関して山崎監督から詳しいディレクションは受けませんでした。一言「前作より家族っぽくね」と言われたくらい。でも、それは裏を返せば、前作を経た僕に演技を委ねてくれていることでもあるので、現場でそれをどう表現するかはかなり考えました。
結論としては“自然体でいよう”と。典子役の浜辺美波さんや、娘である明子役の永谷咲笑ちゃんが自然と話しかけてくれることが多くて、その雰囲気が出たらいいなと思って演じました。血縁上は本当の家族ではない3人ですが、それでも家族として団結しているので、役柄上でも撮影上でも近しいものがあったのだと思います。役者さんが変わらなくて本当に良かったです。
――前回より演じやすかった部分も大きかったのでしょうか。
前作の敷島は自分を否定するところから始まっていたので、演じていて結構精神的につらかったのですが、今回は「守りたいものがあるから戦いに行くんだ」という意識でいるので、プラスな感情で演じることができたのは良かったです。
あと、本作では野田健治役の吉岡秀隆さんがかなり活躍されるので、僕の中では「今回は野田さんが主役だからなぁ」くらいに思っていたのも前作よりかは気楽でいられる理由でした(笑)。
――神木さんも主役として大活躍されていましたよ!
ちょっと冗談めいた言い方になっちゃいましたが、今作ではいい意味で枠にはまらず、自由に芝居ができた感がすごくあります。前作では、観客とキャラクターが初めて出会うので、人物紹介的な側面も演技に込めなければいけませんでしたが、今作では敷島の明るい一面も演じられましたね。
