旬の野菜も味わってほしくて
まず、旬の野菜を使ったアミューズ3品。
取材時の9月は「焼きナスの冷製ポタージュ」「バターナッツカボチャのクレーム」「アランチーノ(ライスコロッケ)」。
それぞれレストランでコースの最初に出されるような小さなお料理で、どれも野菜の風味が感じられます。焼きナスの香ばしさ、カボチャの甘み、アランチーノの下に敷かれた自家製ジェノベーゼの味わいに、食欲が刺激されます。
「コースの内容は月替り。アミューズは、デザート2皿の前に、旬の野菜も味わっていただきたくて、甘くないものをお出ししています。ポタージュを楽しみに毎月来てくださるお客様も多く、スープは必須」と、店主のchieさん。
そして、いよいよファーストデザート。
取材時は「和梨のコンポート、クレームダンジュ、ジュニパーベリーのジュレ、和梨のグラニテ」。
chieさんが目の前で盛り付けていく様子を見つめていると……。
ごく薄くスライスした梨の一枚一枚をくるりくるりと丸めて手早く並べ、皿の上に白い花が咲きました。梨・豊水を使ったグラニテを散らし、さらに山椒のパウダーをパラリ。
完成したプレートから、さわやかな香りが立ち上ります。
「梨は、豊水や新甘泉などの品種を使い分けています。様々な食感や風味を一皿で感じていただきたい。そして、今回のテーマは“香り”。一つは、最後に振りかけたフルーティなぶどう山椒の香り。もう一つは、スピリッツのジンにも使われるジュニパーベリー。実を潰して下に敷いたジュレに加え、香りをプラスしています」と、chieさん。ヒノキ科の樹木の実・ジュニパーベリーの実物を見せて説明しているそう。
セカンドデザートは「神戸イチジクのキャラメリゼ、ゴルゴンゾーラのチーズスフレ、イチジク葉茶のジュレ、ココアのチュイル、イチジクの葉のアイスクリーム」。こちらも、目の前で仕上げられます。
まずは、神戸イチジクをキャラメリゼ。香ばしい香りに、次のデザートへの期待が高まります。それぞれのパーツを絵を描くように皿に置いていきます。
最後に置いたのは、イチジクの葉っぱ。
「イチジク農家から分けていただいた生の葉っぱを乾燥させて添えました。ココナッツのような葉っぱの香りを嗅ぎながら味わってください」。イチジク葉茶も使い、イチジクを葉っぱまで丸ごと楽しむ驚きと感動の一皿。
イチジクのジャムを上に置いたゴルゴンゾーラのチーズスフレで塩気をプラスしてイチジクの甘さを際立たせ、ココアのチュイルで秋の落ち葉をイメージさせるという繊細な構成。イチジクを香りまで堪能しました。
