CREA2026年秋号の「1冊まるごと人生相談」特集が、現在好評発売中! CREA WEBではその一部を抜粋してご紹介します。

 日露戦争前夜から第二次世界大戦が題材の『地図と拳』や火星が舞台のSF『火星の女王』など、さまざまな時空の人間模様を描いてきた作家が、人間関係に悩む読者にアドバイス(全2回の2回目/はじめから読む)。

【はじめから読む】「年上の人との会話ってつまらない(笑)」雑談が苦手な28歳へ。直木賞作家・小川哲が提案する“ゲーム感覚”のコミュニケーション術


【相談】親友が大きな病気になったとき

【お悩み】
親友がステージ2の乳がんに罹って以来、何を言ってあげたらいいのかわかりません。本人は仕事を続けながら治療中で、職場でも限られた人にしかオープンにしていないそうです。どんな言葉が彼女を傷つけてしまうのか怖くて、言い方を考えていると連絡を取るのも億劫になります。言葉で人を支えたり、救ったりできるものでしょうか。(51歳・女性・ちいかわ大好き)

 難しいですね。具体的に何を言えばいいのかは、僕にもわからないです。ただ重要なのは、限られた人にしか言っていない話を、自分に話してくれたってことですよね。親友の方は相談者さんのことを、すごく信用してくれている。つらいんだとか、病気についての話ができる相手として選んでもらえていると思うから、傷つけるかもしれないって理由で恐れているんだったら、気にせず連絡を取ったほうがいいと僕は思います。

 こっちがいくら想像しても、相手にとってどれが傷つける言葉でどれが傷つけない言葉かなんて、わかるはずがないんです。言葉は相手を傷つけるかもしれないけれど、相手を救う可能性もあるわけで、それって実際にやり取りをするまではわからない。だったら、どんな言葉も相手を傷つけてしまうかもしれないことを引き受けたうえで、心配なんだったら心配だとか、困ったことがあったら教えてほしいとか、自分の思いを率直に伝えたらいいんじゃないかという気がするんです。

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CREA 2026年秋号
※この記事のデータは雑誌発売時のものであり、現在では異なる場合があります。