あまった食材の使い切りや食べ切りって、いわば冷蔵庫内の“帳尻あわせ”。そして時に、おいしいものを食べて発散するのも“心の帳尻あわせ”的なこと。食と気持ちの帳尻あわせライフをつづる、フードライター白央篤司さんの連載です。
たんぱく質を手軽&ヘルシーに補うなら!
このところ、どうにもタンパク質をとっていない。
そうめんで済ませた日、ほぼトマトソースだけの冷製パスタで済ませた日、飲みに出ちゃって軽くおつまみしか食べていない日……そんな日ばかりで、さすがにこれじゃいかんなあと反省する。
しかしながら肉を焼くのも暑いし、もっとさっぱりしたものが食べたい。と、きたら……私は「手こね寿司」一択なんである。
三重県は志摩市の郷土料理で、かつおの刺身をいわゆる“ヅケ”にして、寿司めしにざっくり混ぜれば完成のシンプルな料理。私は薬味どっさりにして、サラダっぽくして食べるのが好きなんだ。「手こね」は手でこねる、混ぜるという意味。志摩は海女(あま)さんが多く、共働きの忙しさから生まれた手軽料理とも聞く。
まずは手こね寿司を作っていこう。ざっくり2人前ぐらい。
用意するもの
・かつおの刺身:10~12切れぐらい
・寿司めし:ごはん2膳分ぐらい
A
・醤油:大さじ2
・みりん:大さじ1と1/2
・酒:大さじ1
かつおの刺身をボウルに入れて、醤油、みりん、酒を加えて軽くひと混ぜ。ラップをして冷蔵庫に入れておく。最低でも15~20分ぐらいは漬けておきたいところ。
この間に、寿司めしを用意する。市販の寿司酢は1本冷蔵庫に入れておくと便利。私は生野菜があまったらザクザク小さめに刻んで保存容器に入れ、軽くかぶるぐらいの寿司酢を加え、ピクルス的なものをよく作っている。
ポークソテーや鶏の塩焼き、から揚げ、あるいはカレーの付け合わせにもいい。手軽にレトルトカレーで済ませたいときなど、これを添えるだけで満足感がけっこうアップ。見た目に彩りもよくなる。きゅうりやセロリ、かぶ、大根、にんじん、パプリカなんかが余っていたらぜひ。
さて、寿司めしができたら冷蔵庫のかつおとざっくり混ぜ合わせ、仕上げにいりごまでもパラリとすれば完成……なのだけれど、ここでほしいのがいわゆる薬味。
私がマストで用意するのは、「細ねぎ、かいわれ菜、みょうが」の薬味御三家。細ねぎのマイルドな辛みとかいわれ菜のあざやかな辛み、みょうがのシャキシャキ感と香味、これらが「かつおとごはん」というやわらかもの同士にすばらしいアクセントを与えてくれる。全部そろえなくてもいいので、用意できたものを刻んでごはんに混ぜ込めば、できあがり。
この3種を用意しておくと夏は特にいい。冷奴や厚揚げにのっけるのはもちろん、カニカマやサラダチキンをほぐして、そうめんと和えたのにたっぷり刻んで混ぜ、めんつゆでもかければそれだけでちょっとしたごちそうになる。薬味はごちそう感の演出にいいんだよなあ。
冷たいものだけじゃなく、和風系のスパゲッティに刻んで加えても風味がぐんとアップする。ただ刻んだら傷みも早いので、「その都度食べる分だけ刻む」を徹底したいところ。
