興行収入208億の大ヒット映画『国宝』など、数々の話題作で圧倒的な存在感を放ってきた俳優・吉沢 亮。彼が次なる挑戦の場として選んだのは、日本初上陸となる傑作ミュージカル『ディア・エヴァン・ハンセン』だった。

 吉沢が9年前から切望していたという悲願の役柄で見せた新境地とは。圧倒的なリアリティでエヴァンの心の機微を体現した吉沢版公演の模様をレポートする。


『国宝』を演じた吉沢 亮が次に挑んだ作品は…

 ミュージカル『ディア・エヴァン・ハンセン』が日本初上陸した。

 2016年にブロードウェイで上演され、第71回トニー賞のミュージカル作品賞など6冠に輝き、2021年には舞台と同じベン・プラット主演で映画化(スティーブン・チョボウスキー監督)された名作だ。日本版は小山ゆうなが演出し、主役のエヴァン・ハンセンは柿澤勇人と吉沢 亮のWキャスト。吉沢版を観た。

 興行収入208億の社会現象になった『国宝』、大河ドラマ『青天を衝け』、NHK連続テレビ小説『ばけばけ』などで、確かな演技を世に知らしめた吉沢 亮が次に何を見せてくれるのか注目の的だった。それは9年前に彼がブロードウェイで観て感銘を受け、いつかエヴァンを演じてみたいと切望していたミュージカル『ディア・エヴァン・ハンセン』だった。

【ストーリー】

エヴァン・ハンセン(柿澤勇人/吉沢 亮)は母親のハイディ(安蘭けい/堀内敬子)と二人暮らし。友達がおらず、社会不安障害を抱えるエヴァンは、医師から治療のために自分宛に手紙を書くよう勧められる。「Dear Evan Hansen(親愛なるエヴァン・ハンセンへ)」と書き始めた手紙は、あろうことに学校で偶然居合わせた同級生のコナー・マーフィ(立石俊樹/廣瀬友祐)に持ち去られてしまう。数日後、エヴァンは、コナーは自ら命を絶ち、最後に持っていたのがその手紙だったと知らされた。コナーの父ラリー(石井一孝/新納慎也)と母シンシア(瀬奈じゅん/マルシア)は、手紙はコナーがエヴァン宛に書いたもので、二人は親友だったと思い込んでしまう。二人の友情物語をもっと聞きたいと、マーフィ夫妻はエヴァンを夕食に招いた。そこにはエヴァンが以前から密かに思いを寄せていたコナーの妹ゾーイ(木下晴香/松岡茉優)も。失意の底にあるマーフィ夫妻をこれ以上悲しませたくないと、エヴァンは話を合わせるうちに嘘をついてしまい、親友の証に、唯一の友人ジャレッド(上口耕平/須賀健太)とコナーと自分との秘密のメールを捏造する羽目に。やがて学校では、エヴァン、ジャレッド、同級生のアラナ(高野菜々/宮澤佐江)で、コナーの存在を忘れないために「コナー・プロジェクト」を立ち上げることになる。追悼集会でエヴァンがした作り話のスピーチが感動を呼び、SNSで世界中に拡散されてしまった。後戻りできなくなり、エヴァンは罪悪感に苛まれ、やがて嘘に綻びが生じ、事態は思わぬ方向に進む。

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