日本を離れたからこそ、気付けた価値観
渡部さんは、学生時代、スケートボードや音楽など北米のストリート文化に強く惹かれ、18歳の時にはカナダへ留学にいくほどだった。しかし、現地で出会った人々との交流が彼の価値観を少しずつ変えていく。
「カナダは、生活と自然の関係が密接です。現地の友人と話すと、春になるとどんな花が咲くのか、あの山の標高はどれくらいで、夏はどんな風が吹くのか、というような会話があたり前でした。土地と共存するだけでなく、日々の小さな変化を見逃さない人々の姿は、当時の僕にはとても新鮮でしたね。同時に自分自身は日本のことをどれだけ知っているだろうと考えるようになったんです」
帰国後、日本各地に目を向け始めた渡部さんは、いつしか民藝など手仕事の生活用品や古道具、伝統工芸に惹かれていったという。もっと日本を知りたいという思いは、年々強くなっていった。
