感情的な部分を芝居に活かしたい

――お稽古はこれからだそうですが、ご自身の中で今回演じる「ぺパ」というキャラクターをどんなふうに分析されていますか?

 ぺパという人物の第一印象は、人から頼られる部分もあり、すごくしっかりしているけれど、どこか情熱的で突き進む部分を持ち合わせている人。本能的な部分を普段は理性で保っているのだけれども、それが上手く保てなくなったときのパワーがすごいなと思ったので、そのあたりを大事にしながら役柄をつくっていけたらと思います。

――望海さんご自身とぺパが共通する部分はありますか?

 何かあったとき、周りが見えなくなって突き進む部分はすごく共通している感じがします。私、けっこう感情的なタイプなんです。普段はわりとフラットに生きている人間なのですが、感情的な部分はすごくあるので、そこは役づくりに活かせるかな、と。「ああ、この感情分かるわ!」と思うところも、これからお稽古を進めると出てくるのかなと思います。

――ぺパの恋人、イバンが電話一本で別れを告げることが、物語が始まるきっかけとなります。ぺパは彼を追いかけますが、望海さんでもそうしますか?

 どうでしょう。でも、納得はいかないので……やっぱり絶対追い詰めますね(笑)。ぺパのように泣き寝入りしないところは理解できるなと思いました。映画を観ながら応援しちゃいましたから。

――公演ヴィジュアルを拝見して、とても楽しそうな雰囲気が伝わってきましたが、この撮影が行われたときの特別なエピソードなどありましたら教えてください。

 この撮影のときに4人で初めて顔を合わせた状態だったので、「初めまして」と言いながらテーブルの下に入っていくという、かなりおかしなシチュエーションでした。でも、ひとつのテーブルに皆で入って撮影することで、少しずつ知り合えたような感覚があったんです。ただ、それぞれがどんな顔をしているのかが分からない(笑)。カメラマンの方に「ちょっと怒ってみせて」と言われてそんな顔で撮ったので、あとから仕上がりを見て「皆さん、こんな顔をされていたんだ」と知ることができて面白かったです。

 撮影自体はやはりその態勢を長く保つのがかなり大変で、みんなで「キツいね」と言いながらやっていたら、カメラマンの方に「その、もういい加減にしてくれ、みたいな気持ちを出して」と言われたので、それのリアルな感情がそのまま出ています(笑)。

「パッキングはもう、本当にいつもギリギリ(笑)」

――今回は東京を皮切りに、福岡、大阪、愛知と4都市で上演されますが、地方を訪れるにあたって、楽しみにしていることを教えていただけますか?

 楽しみにしているのは、やっぱり皆さんでご飯に行けるかな……といったところでしょうか。割と期間が短いので、そんなに何度も行けないと思うのですが……。私はその土地の食べ物を楽しみにしているので、皆さんと一緒にご飯に行けたら嬉しいです。

 名古屋に行くのはすごく久しぶりなんです。『エリザベート』でも行ってないので、久しぶりに名古屋で公演できることが楽しみ! 愛知の方々にはいつも東京や大阪に来ていただくことが多く、近くで上演できるととても喜んでくださるので、それが嬉しいです。

――望海さんは以前「パッキングが苦手」と仰っていて、Instagramでも『エリザベート』の移動の荷物の写真をストーリーにアップされていましたね。今回も“ギリギリ”になりそうですか?

 パッキングはもう、本当にいつもギリギリです(笑)。多分、一生無理ですね……。スーツケースに入れているはずが、物が広がっているんですよ。何でしょうね。『エリザベート』のときも各地でそう思っていたので、今回も難しいと思います(笑)。

望海風斗(のぞみ・ふうと)

1983年10月19日生まれ、神奈川県横浜市出身。2017年に宝塚歌劇団雪組トップスターに就任し、三拍子揃った実力の中でも、特に歌唱力に秀でた男役として活躍。退団後は、2025年に自身初のストレートプレイとなる『マスタークラス』でマリア・カラス役を、初出演した『エリザベート』ではタイトルロールとなるエリザベート役を務め、第33回読売演劇大賞にて、最優秀女優賞および大賞を、さらに同作品にて文化庁・第76回芸術選奨演劇部門・文部科学大臣新人賞を受賞。

ミュージカル『神経衰弱ぎりぎりの女たち』

原作:ペドロ・アルモドバル
(映画「神経衰弱ぎりぎりの女たち」)
脚本:ジェフリー・レーン
音楽/歌詞:デイヴィッド・ヤズベク
翻訳/訳詞/演出:上田一豪

出演:
望海風斗
秋山菜津子
和希そら
長井短
溝口琢矢
黒川桃花
遠山裕介
髙嶋政宏 ほか

東京公演 2026年6月7日(日)~21日(日) 日本青年館ホール
福岡公演 2026年6月26日(金)~28日(日) 博多座
大阪公演 2026年7月2日(木)~6日(月) SkyシアターMBS
愛知口演 2026年7月10日(金)~12日(日)  御園座
https://www.shinkeisuijaku.jp/

衣装クレジット:ジャケット、シャツ(ローレンラルフローレン)スカート(ケイタマルヤマ)イヤリング(アビステ)靴(MANGO)

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