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低迷期こそ一生懸命人のために頑張れば、何も恐ることはない

塚原 最後に一つだけお伺いしたいのですが、中園さんは占い師という一面もおありですよね。

中園 そうなんです。14歳から25歳ぐらいまで四柱推命という占いの勉強をして、実は、今も占いを続けています。

塚原 例えばドラマの脚本を書かれる時って、何か占いが影響したりするんですか?

中園 内容には直接関係はありませんが、四柱推命では、12年に一度「空亡期」という運気の低迷期がやってくるんですね。で、私自身、今がその空亡期で、一番どん底にいるんです。「花子とアン」を描いたのも12年前なので空亡期で、なぜか空亡期になると朝ドラ執筆が巡って来るんです(笑)。

塚原 えぇ!?

中園 でも、皆さんも占いで今は良くない時期だって言われると不安になることがあると思いますが、決して恐れる必要はないんです。その時期は、その人にとってとにかく苦手なことがたくさん降りかかってきますが、逃げずにちゃんと取り込むこと、それからそういう時はとにかく与えられたことを人のために一生懸命やっていれば、つらい「冬」は明け、必ず希望に満ちた「春」がやってくるんです。

 私も本当に二度目の朝ドラの話が来た時は「あっ!」ってなりましたけど、これは逃げちゃいけないなと。それで本当にずっと家にこもって、お酒が大好きな私が飲まず、ほとんど休まず書いていたので、まあ苦境でしただけど、それでもこれだけ皆さんに喜んでいただけたなら、本当に良かったと思います。

 皆さんもひょっとすると空亡期には、仕事だったり私生活だったり、人のためにやらざるを得ないことが降りかかるかもしれませんが、それは神様が出した宿題だと考えて、一生懸命やって、頑張ってそこを乗り切って欲しいと思います。その後、すごく自分の足腰が強くなっているのを感じると思うし、心身ともに健康にも恵まれるというふうに私は捉えています。

塚原 ありがとうございます。まだまだお伺いしたいことがたくさんありますが、お時間となってしまいました。ぜひ『あんぱん』を最後の最後まで楽しみたいと思います。

中園 ありがとうございます。やなせさんがアンパンマンで認められたはのは、なんと69歳! すごい遅咲きの方なんですよ。そこまでまだまだ、いろいろな見どころがありますので、ぜひ最終回まで見ていただきたいです。

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中園ミホ(なかぞの・みほ)

東京生まれ。脚本家。日本大学芸術学部放送学科卒業後、広告会社勤務。退社後占い師として活動後、1988年「ニュータウン仮分署」で脚本家デビュー。代表作に「やまとなでしこ」(2000年)、「ドクターX 外科医・大門未知子」(2012~2024年)、「花子とアン」(2014年)など。現在は、占いサイト「中園ミホ 解禁!女の絶対運命」の監修も手掛ける。

連続テレビ小説『あんぱん』展
※同時開催「やなせたかしと三越〜3頭のライオンとの出会い〜」

会場:名古屋栄三越(名古屋市中区栄3-5-1)
会期:9月10日(水)〜29日(月)

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2025.09.05(金)
文=張替裕子(ジラフ)
写真=細田 忠