常に役割を全うしてきたこれまでのキャリア

八木さんと言えば、『美しい彼』で、カリスマ性があり美しい清居奏を演じ、その役が日本だけでなく世界で愛されるまでになったことも記憶に新しい。
「清居を演じることに迷いはなかったです。いただいた役をしっかり演じるだけだって思っていました。チャンスだし、この役を僕に任せてくれたことに、きっと意味があると。『美しい』という存在を引き受けることも、プレッシャーがないわけじゃなかったけど、美しさって外見だけじゃなく、内面から出る佇まいや、何かに必死に打ち込んでいる姿とか、夢に向かいつつも、努力を人に見せないところにも宿ると思うから、迷いがなかったのかもしれません」
アーティスト活動で、本来ボーカルである八木さんが、ダンスを覚える中でも、役割を全うすることの意味を感じたという。
「ダンスをすることに最初はもちろん、プレッシャーもあったんですよ。でも、挑戦していく中で、例えばフォーメーションを作り上げたときに達成感を覚えるようになって。ダンスの面白さがわかっていきました」

こうした悩みを、事務所の先輩に相談したり、また後輩からされたりということもあるのだろうか。
「もともと、僕はそこまで考え込んだりしないので、あまり相談ってしてこなかったんです。でも、台北でファンミーティングをした時に手厚くサポートしてくださったLDH愛夢悅のCEOでもあるEXILE AKIRAさんには、いろいろと相談に乗っていただきました。同じアジアでも、どんな活動をすればいいのかということは全然違うので、実際にアジアで経験を積んでいるAKIRAさんの言葉は響きました。
ほかにも、岩さん(岩田剛典)からは、芸能人としての心得を聞いたり、(数原)龍友さんには、ボーカルとして歌の相談をしたりすることも多いです。メンバーにはあまり相談はしないけど、一番話をするのはやっぱり同じボーカルの中島颯太ですね。ふたりでサウナに行って、ツアーでこんな曲を披露できたらいいよねってよく話しています。後輩だと、BALLISTIK BOYZの砂田将宏は、彼も俳優業をしているので時々相談に乗ることもありますね」
2025.07.05(土)
文=西森路代
写真=中村力也
スタイリング=杉浦加那子
ヘアメイク=福田 翠(Luana)
CREA 2025年夏号
※この記事のデータは雑誌発売時のものであり、現在では異なる場合があります。