僕は結構パニックになるんですよ

――作品では新幹線に爆弾が仕掛けられているということで乗客が大混乱に陥りますが、草彅さんもパニックになることはありますか?
草彅 僕は結構パニックになるんですよ。あれがない、これがない、って探し物が多いんだ、僕は。荷物が多いんですよね。それで全部準備してさあ家を出るぞ、って時に「ギターのピックがない! チューナーがない! カポがない!」って言って、いつも慌てている。あれでもう一気に大人の自分が崩れますよね。なんかもう未熟だよね。
準備万端のつもりでいたのに、家を出る瞬間に「あれ……、ないよ?」ってなる。すごく焦っちゃって、普段からちゃんと片付ければいいのにね。いつも物を探しては「きーーっ!」ってなっています。俺はあんなに用意したはずなのに、って。あれ、どうしたらいいのかな?
――それ、すごくよくわかります。なんでこんなに自分はダメなんだ、てがっかりしますよね。幾つになっても無理。
草彅 そうそうそう。無理だよね。解決方法があったら聞きたいよね。
――やっぱり今のお話を聞いていても、樋口監督と草彅さんは、子どもらしい部分ですごく波長が合うんだなと思いました。
草彅 それはありますね。樋口監督を見てると、無理に大人になる必要はないなって思う。僕たちは永遠のピーターパンですよね。それでいいと思ってもいて。監督にはもうリスペクトしかない。大人にならないことで、映画という夢を与えてくれるわけだから。
――草彅さんは永遠の5歳児って言われてますよね。
草彅 もう、大人になれないですよね。だから監督を見ていると安心できるんですよ。僕の方が実際の年齢は下だけど、僕も監督も同じぐらいかな。5歳児同士か、8歳児同士か。
健康の秘訣はあのトレーニング法?

――草彅さん、1年ぶりに取材でお会いしますが、先ほどからお話を聞いているとどんどん元気になっている気がします。
草彅 ずっと続けているHIITトレーニング(高強度インターバルトレーニング)の成果なのか血流が良くなって、朝もぱっと起きられるんですよ。本当に毎日元気。
――『碁盤斬り』のインタビューの時も、トレーニングのお話をされてましたね。
草彅 そうでしょ。ずっとやってるんだから、俺偉いんだよ。やっぱり継続は力なりだよね。でも最近、夜の8時には眠くなっちゃう。8時頃に寝て、朝3時半とかに起きちゃってる。
――それは早寝早起きで知られる稲垣吾郎さんよりも早いですね。
草彅 そう。本当に吾郎さんに勝っちゃってる。実際にはズレて10時頃に寝るけど、朝が早いから夕方5時ごろからだんだん元気がなくなってしまうから、やばいですよね(笑)。
草彅剛(くさなぎ・つよし)
1974年7月9日生まれ、埼玉県出身。91年、CDデビュー。俳優として、『黄泉がえり』(塩田明彦監督/03年)、『あなたへ』(降旗康男監督/12年)、NHK大河ドラマ「青天を衝け」(21年)、NHK連続テレビ小説「ブギウギ」(23~24年)など多数の作品に出演。17年には「新しい地図」を立ち上げ、20年公開の『ミッドナイトスワン』(内田英治監督)では第44回日本アカデミー賞最優秀作品賞・最優秀主演男優賞に輝いた。近年の主な作品に、『サバカン SABAKAN』(金沢知樹監督/22年)、『碁盤斬り』(白石和彌監督/24年)など。樋口真嗣監督とは『日本沈没』(06年)でタッグを組み、『進撃の巨人 ATTACK ON TITAN エンド オブ ザ ワールド』(15年)にも出演している。

Netflix映画『新幹線大爆破』
出演:草彅剛 細田佳央太 のん 要潤 尾野真千子 豊嶋花 黒田大輔 松尾諭 大後寿々花 ・尾上松也 六平直政 ピエール瀧 坂東彌十郎 / 斎藤工
監督:樋口真嗣原作:東映映画『新幹線大爆破』(監督:佐藤純彌、脚本:小野竜之助/佐藤純彌、1975年作品)
特別協力:東日本旅客鉄道株式会社 株式会社ジェイアール東日本企画
制作プロダクション:エピスコープ株式会社
製作:Netflix
4月23日(水)より世界独占配信

2025.04.20(日)
文=石津文子
撮影=深野未季
スタイリスト=栗田泰臣
ヘアメイク=荒川英亮