正和堂書店 猪田みゆきさん
大阪に生まれた時から住んでいて、それでも長いことミナミのことはよう知りませんでした。私の知ってるミナミは新喜劇くらいのものでした。
結婚をして、作品にほんの少しだけ登場する森ノ宮に数年住んでやっと少しずつミナミともお友達になれたような気がしている今日この頃。だから、昔のミナミは想像、イメージしかありません。
でも、きっとあったんやろうな。そう思わせてくれる家族たちの物語。
作品個々はバラバラでも最後に真珠のネックレスのように綺麗な繋がりになる素敵な作品。
読んだらきっとあなたもこの春ミナミに行きたなります。

未来屋書店武蔵狭山店 柴田路子さん
叫びたい!! 浪花節だよ! 人生は!
人生どん底でもなんとかなるさ、そう思わせてくれる人情物語。
お笑いのネタ帳かと思うくらい、面白くて温かくて泣いてしまっても笑ってしまう。昔懐かしい過去から現代へ、辛い事があっても希望が持てる優しい世界だった。
禅の言葉、深い意味で心に残ります。1章と6章は涙涙でした。

未来屋書店入間店 佐々木知香子さん
自分の好きを認めてくれる人がひとりでもいてくれたら、それは極上で最上!
人生谷あり山あり泣き笑い、笑いがちょっと多いと幸せだなぁ。
昭和から令和まで、人とは愛しいものですね。 

高坂書店 井上哲也さん
遠田潤子さんの新たなる代表作。
浪速節の似合う、大阪ミナミの人間味あふれる群像劇。
1995年の大阪昭和町から始まる本作は、本年度3月の万博開幕を来月に控えた当地で幕を閉じる。
六つの連作短編の底に流れるのは、大阪らしいお笑いであり、情にあつい関西人ソウルである。
いずれの物語も心に染みて、読む者を優しい気持ちにさせ、瞼を熱くさせては涙をあふれさせる。
脳内風景は幸福の桜色、気分は最高である。
間違い無く五つ星の大傑作!

六本松 蔦屋書店 峯多美子さん
まっさらな状態で読み始めたら、涙が止まらなくなるくらい心に沁みる話ばかりで、読みおわるのが寂しかった。
人生って浪花節なんですかね、やっぱり。
ままならなくても、後悔してることがあっても、それでもなんとか踏ん張って生きていく。
その先にはきっと何かが待っていると思える心が温かくなる作品でした。

ミナミの春

定価 1,980円(税込)
文藝春秋
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2025.04.16(水)