この記事の連載

“素敵な人”がちゃんと評価されてほしい

――書くテーマも自身で決めてたんですか?

川村 書きたいことはだいたい決めていたんですが、実際に書き始めると「これは別のトピックとして分けて、もっとフォーカスして語ったほうがいいな」と思って、そうした部分もあります。

――最後に、本書で一番伝えたかったことは?

川村 「人間のバグ」に気づいて欲しい、と強く思っています。真面目に取り組んでいる人や、誠実で素敵な人がきちんと評価されていない場面を目にすることが増えていて、それってすごくおかしいと思うんです。そういうズレこそが、まさに“人間のバグ”なんじゃないかと感じています。

 特にエンタメの世界で生きていると、そうした違和感により敏感になってしまう。今は、SNSを中心に少し“正常な状態”ではないような空気感が広がっている気がしていて。「アンチは少数派だ」というデータはあるものの、年月とともにその声が増殖していったり、中途半端な発言で誰かが傷ついてしまったりすることもある。だからこそ、どこかでその負の連鎖を断ち切らないといけないし、影響力を持つ人ほど、ちゃんと言葉を発する責任があると思っています。

 この本は、ファンの方々への約束や、「ここはちゃんと伝えておきたい」と思ったことを綴った、信頼を再確認するための一冊です。でも、それだけではなく、同業の方に向けたメッセージでもありますね。

 真面目で、誠実で、素敵な人たちがちゃんと評価されて、その結果、そういう人たちがもっと増えていく――そんな世の中になってほしいという願いを込めています。ある意味“問題作”かもしれませんが、読んでくださった方の反応を楽しみにしています。

川村壱馬(かわむら・かずま)

1997年1月7日生まれ、大阪府出身。2017年、THE RAMPAGEのボーカルとして1stシングル「Lightning」でメジャーデビュー。2025年1月には、アーティスト名「零(レイ)」としてソロデビューも果たす。俳優としては、2018年に「PRINCE OF LEGEND」シリーズでデビュー。その後「HiGH&LOW THE WORST」のドラマおよび映画で、中心人物である花岡楓士雄役を演じ、続く話題作にも次々と出演。多彩な才能を武器に、活動の幅をさらに広げている。

2nd フォトエッセイ『PROMISE』

定価:2,800円+税
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2025.04.11(金)
文=西森路代
撮影=平松市聖
スタイリスト=吉田ケイスケ
ヘアメイク=oya(KIND)