夏の釧路が素晴らしすぎて、大好きな場所になった

――主演の岡田さんとは映画『告白』以来の共演でしたが、いかがでしたか?

橋本 大人として再会できてうれしかったです。『告白』は私の商業映画デビュー作で、私が中学生、岡田さんは先生役でした。

 今作は1つの答えを明示するような作品ではないからこそ、岡田さんの演じた小村役は大変さがあったはず。私が小村役だったら、相当悩んだと思います。未名は、小村(岡田)と目を合わせる場面すらないんですけど、見えない部分で感じる岡田さんの佇まいや立ち居振る舞い、声に、物語の言語化できない世界観が描かれている気がしました。

――撮影現場はどんな雰囲気でしたか?

橋本 岡田さんとは、「ミステリアスな雰囲気が必要かな」と距離を保っていましたし、他の皆さんとも共演シーンが少ないのであまりお話する時間がなかったんです。

 でも出演のきっかけをくださった制作統括の山本さんが料理上手で、最高においしいごはんをいただきました(笑)。映画『熱のあとに』に出演した際もごはんをつくってくださったんですよ。

――素敵ですね。印象的だった出来事はありますか?

橋本 撮影で伺った夏の釧路が最高で、大好きな場所になりました。草原のシーンのため1泊したんですけど、雄大な自然が本当に美しくて。満天の星空は忘れられません。

――あの場面、視聴者の印象に残ると思います。

橋本 草原に立つ私を岡田さんが見るシーンは、岡田さんの視線の先に本当に私が立っているんです。いつもなるべくそうしているんですけど、撮影後に岡田さんから、「いてくれて助かった。ありがとう」とお礼を言われて。「自分がしたことに意味があったんだ」と思えて嬉しかったですね。

――演出に関して相談したことはありますか?

橋本 未名がどう座るかはよく話し合いました。体育座りなのか、横座りなのか。ソファーに座るのか、座らないのか。カーディガンを羽織って、動いた形跡を残してみたり。いろいろと工夫しました。

2025.04.03(木)
文=ゆきどっぐ
撮影=松本輝一