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しっかり“お兄ちゃん”している姿は、初めて

――そのほか、瑛太の具体的な役作りについては?

 ギルド仲間を引っ張っていく存在というところでは、リーダーシップを心がけました。自分もチームのダンサーがいて、彼らを自分がまとめて、引っ張っていく存在なので、改めて自分を振り返る作業も行いました。

 また、同じギルド仲間の妹・瑠奈の兄としても、いろいろ考えました。実生活では一人っ子ですが、普段から弟みたいな存在はいっぱいいるんです。ただ、妹のような存在はいないので、嬉しかったです。瑠奈はちょっとわがままなんですけれど、瑛太が溺愛するのも分かるぐらい可愛いんですよ。

――撮影時の印象的なエピソードを教えてください。

 妹の瑠奈役の月島琉衣ちゃんとの文化祭のシーンで、主演の作間龍斗くんが、クレープのトラックを差し入れしてくださったんです。それをみんなで食べたとき、瑠奈ちゃんと一緒にオフショットを撮ったんですが、スタッフさんも納得するほど、リアルなお兄ちゃんと妹みたいな写真だったので、いい思い出になりました。ほかにも、ギルド仲間のみなさんと一緒にいるシーンが多かったので、カメラが回っていないときも、お喋りしたり。焼肉のシーンも楽しかったです。

――監督から何かアドバイスはありましたか?

 瑛太が引っ張っていくキャラということを意識し過ぎたあまり、セリフが自分発信のものになって、会話のキャッチボールにならないことがあったんです。それで監督から「相手が言ったことを1回聞いて、それを飲み込んだ上で話してほしい」って仰っていただいたことは、勉強になりました。

――本作でしか見られない、NOAさんの新たな魅力はありますか?

 僕がしっかり、お兄ちゃんしている姿はこれまで見られなかったと思うので、そこは楽しんでいただけると思います。ファンの方なら、「今のNOAくんぽい!」というところもあるとは思いますが、ふわっとした優しくて柔らかい雰囲気をぜひ感じ取っていただければいいですね。

2025.03.26(水)
文=くれい 響
撮影=平松市聖
スタイリスト=久保コウヘイ
ヘアメイク=大矢