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 音楽のみならずマルチに活躍するシンガーソングライターのNOAさん。3月28日公開の映画『山田くんとLv999の恋をする』で映画初出演を果たします。

 後篇では、ドラマ「君の花になる」(TBS系)以来、約3年ぶりの演技挑戦を振り返りつつ、今後の展望を伺いました。


ドラマで学んだことを思い出して、作品に臨んだ

――TBS系火曜ドラマ「君の花になる」番組終了、劇中で演じ、実際に活動もされたボーイズグループ8LOOM解散から2年が経過しました。NOAさんにとって、8LOOMはどんな存在だったといえますか?

 本当に大切な思い出ですし、僕たちの中でも、どこか原点みたいな部分だと思っています。「当時の気持ちや見た景色みたいなものを忘れたくないよね」っていう話は、メンバーと今でもよくするんですよ。それぞれの仕事が忙しい中でも、仕事終わりでよく会っていますし、メンバーによっては、週1ペースで会っています(笑)。今のお互いの活動に対して、嫉妬や羨ましさというよりは、「俺ももっと頑張ろう」という話になりますし、そういう意識を持っている仲間だからこそ、関係性を築けたと思います。

――ほかに、転機となった出来事や活動について教えてください。

 いろんな意味で、感覚が目覚めたと思ったのは、2023年9月の有明アリーナでのライブ(『NOA "NO.A" TOUR SPECIAL LIVE IN ARIAKE ARENA』)です。良いことも悪いことも、いろいろ分かったライブでした。具体的に言うと、あれだけ大きな会場で、たくさんのファンのみなさんが一緒に歌ってくれたこと。僕がデビュー前に求めていたものというか、見たかった景色があの場に全部あったんです。それに対して、ライブが終わったときに「もっと、こういうことができたんじゃないか?」といった反省点が見えたんです。それで、やり遂げたというよりは、早く次のライブをやりたいという気持ちになりました。

――そして、今回初めての映画『山田くんとLv999の恋をする』に出演。主人公たちが参加するネトゲのギルドマスター・瑛太役として、出演依頼を受けたときの率直な感想は?

 今回、約3年ぶりのお芝居のお仕事だったのですが、ずっとやりたかったので、率直に嬉しかったです。僕、ネトゲはやらないのですが、ゲームはよくするので、ギルド仲間に憧れはありましたし、その世界に入り込めることにワクワクしました。そして、まずは「君の花になる」で学んだことを思い出すという作業を始め、『山田くん〜』のアニメ版を観ることで、自分と瑛太くんとの共通点を探りました。それで、監督から「普段話す声のトーンやニュアンスみたいなものが瑛太くんとちょっと似ているときがある」と仰っていただいたことをヒントに役作りしていきました。

2025.03.26(水)
文=くれい 響
撮影=平松市聖
スタイリスト=久保コウヘイ
ヘアメイク=大矢