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 女性の地位向上、女性差別の撤廃などをめざして制定された「国際女性デー」の特別企画として、Podcast番組「ハダカベヤ」のMCを務める、タレントのIMALUさん、メグさん、なつこさんの35歳・同級生3人組がCREA初登場!

 前篇では、35歳の女性が直面する「産む? 産まない?」をテーマに、後篇では「女性の幸せって?」をテーマに、いつものように“ハダカのトーク”を繰り広げていただきました!インタビュー【後篇】を読む


出産に関する知識はあっても産む・産まないの結論を出すのは難しい

――日本では一般的に、35歳以上での初産は「高齢出産」と呼ばれさまざまなリスクが伴うため、35歳の誕生日を迎えるまでに、女性の多くが一度ならず出産について考えるのではないかと思います。同級生である3人は、今、まさに35歳。IMALUさんはパートナーと暮らし、メグさんはシングルで、なつこさんは既婚者とそれぞれに環境は異なりますが、どなたもお子さんはいらっしゃらないという状況で、率直に「産む・産まない」についてどのように考えていますか?

IMALUさん(以下、敬称略) 絶対に子どもがほしいとは思っていないけど、年齢的にも周りから「子どもはどうするの?」ってめちゃくちゃ言われるし、いつかは産めなくなるという体のリミットがあるのは事実で、そのカウントダウンが始まっているという意識は持っています。産んでも産まなくても、どちらも人生としてはいいけど、将来、子どもを産んでみたかったなって思ったら困るなと思ったりもして、まだ自分の中で明確な答えは出ていないのが正直なところです。

メグさん(以下、敬称略) 私は結婚願望も出産願望もないです。でも、ここ数年でフェムケアという言葉が浸透して、たくさんの情報に触れる中で、産む・産まないにまつわる選択肢がいろいろあることを知りました。選択肢があるなら検討したほうがいいかなと考え、30歳から33歳までは産む選択肢を残す方向に傾いていたけど、35歳の今は、産まなくてもいいかな、が優勢になっています。最終的に、これから考えが変わる可能性もあるし、人生の流れやライフスタイルに身を任せちゃえ、というスタンスに落ち着きました。

なつこさん(以下、敬称略) 昔から子どもが苦手で、ストレートに言っちゃうと嫌いでした。でも、仲のいい友だちや親戚の子どもはかわいくて、30歳を過ぎたあたりから自分たちのDNAを見てみるのも面白いかなと考えるようになりました。産む・産まないについては、夫と「35歳までには方向性を決めよう」と話し合っていたけど、結論が出る前に35歳になってしまいましたね。

――2024年には、国際女性デーの企画で「ハダカベヤ」に婦人科の先生をゲストに迎え、産む・産まないをテーマにディスカッションされていましたよね。

IMALU ゲストの女性ドクターがすごく優しくて、話もわかりやすくて、婦人科へのマイナスなイメージが塗り替えられました。そもそも、私はビビリだから婦人科の検査が怖いし、以前に婦人科ですごく冷たい言い方をされて傷ついたりもしていて。

なつこ 嫌な思いをしちゃうと、足が遠のくよね。

IMALU そうなの。でも、「ハダカベヤ」で残っている卵子の数を推定値ではあるけど知ることのできるAMH検査(アンチミューラリアンホルモン検査)のことを知って、6、7年ぶりに婦人科に行ったんだよね。

なつこ えらい! 私も、もし産みたいと強く思った時に産めない体だとわかったらショックだから、検査だけは受けておこうと思いながら、もう2年以上経ってる。

IMALU 私は今、奄美大島でパートナーと暮らしていて、子どもがいてもいなくても人生は楽しめるよねというのが2人の共通意見。だけど、検査を受けることで、産む・産まないを決断するきっかけになったらいいなっていう思いも少しはあったかな。

メグ でも、結論を出すのはやっぱり難しかった?

IMALU うん。数値の結果がよくなかったら焦って妊活を始めていたかもしれないけど、検査結果で思ったより卵子の数があることが分かって。安心はできたんだけど、結論までは出なかった。

なつこ だとしても、判断材料が何もない状態からは、一歩進んだよね。

――今のところ出産に関連する検査をしたのはIMALUさんだけで、パートナーは受けていない感じですか?

IMALU そうですね。

メグ 産むのは女性だから、妊娠・出産に関してはどうしても女性の問題になりがちだよね。

なつこ 本格的に子どもがほしいとなったら、状況はまた違ってくるんだろうけど。

メグ 男性の検査もクリニックで射精をするとか心理的なハードルが高いのは理解するし、いざ妊活するとなれば、女性の身体的・時間的・金銭的な負担も相当なもの。お互いに、男女の共同作業であることを忘れずにいられるのが理想かな。

なつこ 「ハダカベヤ」では、卵子凍結の話もしたじゃない?

メグ 私は、2023年に東京都が助成を開始した当時、卵子凍結についてめちゃくちゃ真剣に検討したの。だけど、卵子凍結するには、検査や注射で時間的にも拘束されるし、費用もそれなりにかかる上、無事に卵子凍結できたとしても、毎年、凍結した卵子の保管料もかかってくる。必要とする人がいるのはわかるし、コスパで考えるなっていう意見もあるだろうけど、正直、今の段階で絶対に子どもを産みたいと考えていない私にとってはコスパが見合わないと思った。

IMALU 卵子凍結するなら1日でも若いうちにと言われるけど、20代前半で卵子凍結しようと思ったら、費用面が壁になりそう。

メグ 私の場合はそもそも、加齢とともに卵子の質が落ちるとか、35歳を超えると妊娠しても流産率が高くなるとかっていう情報に接したのが20代後半だったから。そんな重要なこと、中学校の性教育で教えておいてよって思った。

なつこ 子どもを産みたい人は自分から情報を取りに行くだろうけど、私たちみたいに出産への強い思いがないまま20代を過ごしていると、情報に接する機会も逃してしまうよね。

メグ もし、私に娘が産まれたとしたら、卵子凍結の費用を親が貯めておくことも検討するし、娘にも選択肢の一つとして早いうちに話しておくと思う。大学生に向けて就活セミナーをするように、妊娠・出産の選択肢についても10代のうちに広く周知する世の中になるといいのになって思ってる。

2025.03.08(土)
文=今富夕起
写真=佐藤 亘