この記事の連載

 BSテレ東では、毎年2月22日の猫の日限定で「BSキャッ東」と改名し、朝から晩まで猫まみれの番組を放送。

 今年は、CREAとCREA WEBの人気企画「かわいいニャングランプリ」とのコラボが実現し、2月22日(土)18:00~19:00に特別番組「今夜決定!かわいいニャングランプリ ~BSテレ東×CREAコラボ~」が放送されます!

 今回は放送を記念して、テレビ東京イチの猫好きで知られる田中瞳アナウンサーに猫について語っていただきました。

 インタビュー後篇では、昨年11月発売の初のフォトエッセイ『瞳のまにまに』(講談社)について伺います。5年間のアナウンサー生活で出会ったヒト、コト、モノにまつわる書き下ろしエッセイを20篇近く収録した一冊の中には、地域猫たちとの交流など、猫好きの一面が垣間見えます。

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エッセイで描かれた大切な猫たちとの出会い

――エッセイに登場する猫たちとの出会いを教えてください。

 3年ほど前、自宅にいてふと窓の外を眺めたら、ガレージの屋根に猫がいて。ちょうど目線の位置だったので、なんとなく毎日確認するようになって、はじめのうちは「見られたらラッキー」ぐらいの感覚でした。

 そのうちコロナ禍になり、家にいることが増えたので、一日中猫を観察していて。ずっと見ていると、日向の動きに合わせて2、3歩ずつ移動していることがわかって、そこに生活の営みのようなものを感じてどんどん思い入れが強くなり、名前をつけました。その子が、グアバさんです。

――名前の由来は?

 当時、グアバの実が成った枝を部屋に飾っていて、それがお気に入りだったので。名前をつけてからは、窓越しによく呼びかけていました。それからはより身近に感じられて、途中から一緒に暮らしている感覚でした。

――触れ合いを感じる写真もありますね。

 グアバさんが年を取って屋根に登れなくなってしまって、ガレージの下で暮らすようになったんです。はじめは警戒心が強くて、近寄ろうとすると威嚇されたので、遠くから名前を呼んだり、話しかけたりしていました。時間はかかりましたが、そのうちよぼよぼと近づいてきて、次第に甘えてくれるようになりましたね。今思うと、あまり目が見えていなかったから、「わからないけどなんかいるぞ」という威嚇だったのかも。

――グアバさんと一緒に写っている子は?

 モフさんです。ハチワレの女の子で、ある日グアバさんがいるガレージの前を通ったら姿を見せた子です。愛嬌ふりまき系の猫ちゃんで、尻尾の付け根をポンポンされるのが好きで、腰を突き出しておねだりしてくるほど甘えん坊ですね。

――SNSなどで推し猫はいますか?

 猫アカウントはいくつかフォローしています。その中で、ずっと見ていたアカウントがあって、ある日、飼い主さんが東京から地方に移住して宿を始めたんです。そこで猫さんは宿の中を自由に歩き回っていて、どうしても会いたくなってしまって。北陸のほうだったんですけど、泊まりに行っちゃいました。宿の扉を開けた瞬間、目の前にいて感激でした。

2025.02.21(金)
文=田辺千菊(Choki!)
撮影=榎本麻美
写真=田中瞳