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はじめてメイクしたのは4歳くらいのとき

――どのように落ち込みから回復されているのですか?

Kōki, 私は誰かに相談することが多いです。

 自分だけで考えていると、それがずっと自分の心の中に溜まり、だんだん大きくなってしまう気がするので、なるべく誰かに相談して、自分だけで抱えないように心がけています。

 ありがたいことに、私のまわりには、くじけそうになったり、諦めそうになったりしたときに、支えてくれる人たちがたくさんいるので、そういう人たちの力を借りながら、気持ちを楽にしています。

――麗奈はメイクの力にも救われています。Kōki,さんもメイクやファッションから勇気やパワーをもらうことはありますか?

Kōki, たくさんあります。メイクやファッションは、私にとって大きな存在です。たとえば、赤いリップをつけるだけで、たちまちやる気が湧いてきます。

 麗奈のように、メイクやファッションは新しい自分を見つけるアイテムでもあると思います。ですから、私は自分を表現できるひとつの方法としてもすごく活用しています。

――メイクを好きになったきっかけがあれば教えてください。

Kōki, 子どもの頃から、ひとがメイクをしている姿を見るのが大好きだったんです。大人がメイクをする姿を見て、私もやってみたいと思うようになりました。

 はじめてメイクしたのは、4歳くらいのときです。見よう見まねで母の口紅を塗ってみたのが、私のメイクデビューです。

 年頃になってからは、姉にメイクを教えてもらうことが増えたので、どんどんメイクの楽しさや魅力にはまっていきました。

――メイクのどんなところに魅力を感じるのでしょうか。

Kōki, たとえば、アイラインを1本描く、チークをちょっと入れるというようなほんの少しの工夫で、顔の印象がガラッと変わります。こういう魔法のようなことができてしまうのは、メイクの面白いところだと思います。目の下に少しキラッと光るラメを入れるだけで、表情が華やかになったりもするので、知れば知るほど研究したくなります。

――撮影現場でもメイクのプロセスや使用アイテムについて、メイクさんに熱心に質問されていたそうですね。

Kōki, はい。麗奈の「女神」メイクのときに、メイクさんがアイシャドウの色を少し鼻の先や頬に入れてくださったんです。それがすごく不思議だったのでお聞きしたら、「顔にまとまりが出る」と言われ、驚きました。アイシャドウは目だけに使うものだと思っていましたが、チークにもノースシャドウにも使えるというのは、新しい発見でした。

 眉毛も、私は結構描いてしまっていたのですが、描き足すのではなく、色を明るくすることで垢抜けした印象になったり、目が強調されて大きく見えたりすると教えていただき、大変勉強になりました。

2025.03.19(水)
文=相澤洋美
写真=深野未季