「王の頭部」が約40年ぶりに来日!

 2nd Stage「ファラオの実像を解明せよ!」では古代エジプトで絶大な権力を持っていたファラオ(王)たちの偉業に注目。クフ王やラメセス2世など、3,000年に及ぶ古代エジプトの王朝史のなかで活躍したファラオにまつわる作品が展示されています。

 約40年ぶりに来日した《王の頭部》は、河江さんが最も楽しみにしていた作品の一つ。こちらは知られているなかでは最古の、現存するエジプト王の巨像の一部。紀元前26世期のエジプト第4王朝を統治したファラオで、ギザのピラミッドを建造させたクフ王の頭部ではないかと考えられています。

 長い時を経てもヒエログリフの刻印がくっきりと残る《クフ王の名前が彫られた指輪》。かつてはクフ王が着けていたと考えられていましたが、その後の研究により、刻印には指輪の主が神官・ネフェルイブラーだと記されていることがわかりました。21金以上の純度の高い金で作られているため、見た目以上に重みがあります。

 また、2nd Stageでは、エジプト現地で測量した3D解析データや、普段は見ることができないエジプト内部の調査映像、河江さんが調査に用いる7つ道具なども紹介されています。

 これまで世界各国の研究者が発掘調査を行っていますが、未だに謎に満ちた古代エジプト文明。最近では、宇宙から降る素粒子ミューオンを使ってピラミッド内部を透視する研究が進められ、これまで知られていなかった未知の空間が検出されています。

2025.02.11(火)
文=河西みのり
撮影=深野未季