#13 布ナプキンや月経カップを使う意味をもう一度問う

 ある種トレンドとなった布ナプキンや月経カップ、早速試した人もいるだろう。ただそれが正しいという意味ではなく、生理用品は実はこんなにも幅広く選択肢があるのだと知ることが大切。

 つまり試してみてどうだったか? 自分に合っているかどうか? が全てに優先する。生理用品はストレスと背中合わせ、最も個人的で生理的なものであるだけに、自分に合うものを本気で選ぶべきなのだ。

 ちなみにアメリカの生理用品はオーガニックが中心だが、日本は進化系の生理用品も多いだけにエキサイティングな選択になるはず。

#14 自分を休ませ慈しむ期間と考えてみる“新しい月経考”

 例えばスコットランドでは、生理用品は無料だという。羨ましいというより、本来はそうあるべきなのにと気づかされる。全員が好んで月経になるのではない。運命が定めた女性の役割のため、痛みも不快感も全てを耐えている訳で、それを卑下する必要がどこにあるのかと改めて思う。

 ちなみにヨーロッパでは生理休暇はなく、最近スペインで施行されたのみ。逆に日本は恵まれているという見方もあるが、7割の企業が生理休暇は無給。ましてや生理休暇を取った割合は2020年の調査ではわずか0.9%だった。不思議なのは1963年は26.3%、以降減少し続けている。結局、周囲の理解が深まらないからなのだ。

 でもこのフェムテックの勢いに任せて、生理日は体を休めるべき期間と考え、可能ならば仕事も家事も周囲に甘えるべきではないか。少なくとも自分自身を慈しむ時間と捉えるべき。そして昔の女性が月経でいかに苦しんだかを踏まえ、現代がいかに恵まれているかを知ることで、その数日間、意識して一抹の安らぎを覚えて欲しいのだ。

齋藤 薫 (さいとう かおる)

女性誌編集者を経て美容ジャーナリスト/エッセイストに。女性誌で多数のエッセイ連載を持つほか、美容記事の企画、化粧品の開発・アドバイザーなど幅広く活躍。CREAには1989年の創刊以来、常に寄稿している。

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2025.01.06(月)
文=齋藤 薫(美容ジャーナリスト)
写真=釜谷洋史

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※この記事のデータは雑誌発売時のものであり、現在では異なる場合があります。

この記事の掲載号

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