またiPhone 8以前のモデルが明確に有利な点として、ボディの軽さと薄さが挙げられます。iPhone 8は148g、iPhone 6に至っては129gしかないのに対し、現行のiPhone 16は170g、望遠レンズも搭載するiPhone 16 Proだと199gと、相当な差があります。重量差の違和感を感じずに済ませるのであれば、耐えられるのはiPhone 16がギリギリでしょう。

 

LINEが使えなかったり、下取り価格がガクンと下がるのも難点

 一方のソフトウェアはどうでしょうか。iOSが動作している以上、使える機能はほとんど同じ……と勘違いしがちですが、iPhone 8が対応するのはiOS 16.7.10までで、iOS 17や18で追加された新機能は利用できません。同様に、iPhone 7およびiPhone 6sはiOS 15.8.3、iPhone 6に至ってはiOS 12.5.4で、サポートが打ち切られています。

 最新のiOSが使えないことでネックとなる機能はいくつもありますが、なかでも今後を考えると重要なのが、パスワード関連の機能です。現行のiOS 18では、任意のパスワードマネージャを使ってのパスワードおよびパスキーの管理と自動入力が行えますが、iPhone 8以前では利用できません。パスキーの利用率はここ1~2年で大きく上がってきており、これらに対応しないことによって、今後使いづらく感じる機会は増えてくるはずです。

 また使い勝手の部分では、ホーム画面でアイコンを詰めずに飛び石で配置できたり、個別のアプリをFace IDでロックできたりといった、最新のiOS 18で追加された便利機能も利用できません。またコントロールセンターも、iOS 18ではジャンル別に画面が分かれていたり、アイコンが色分けされるなどしてより見やすくなっていますが、これらもやはりiPhone 8以前では対象外です。

2024.12.01(日)
文=山口真弘