またハード面での最大の違いはカメラで、現行のiPhone 16は広角と超広角、ハイエンドであるiPhone 16 Pro Maxは広角・超広角・望遠とレンズが3つもあるのに対して、iPhone 8は広角の1つだけ、なおかつ12MPと、同じ広角レンズでも48MPあるiPhone 16シリーズの足元にも及びません(8MPしかないiPhone 6だと差はさらに広がります)。現行モデルに買い替えた時にもっとも差を実感するのが、このカメラでしょう。
パフォーマンスについても、ベンチマークアプリで比較すると、上位のiPhone 16 Pro MaxとiPhone 8のスコア差は平均して3倍近くあります。体感的にも、さまざまな操作で反応がワンテンポ遅れるイメージで、用途によらず使っていてつらいものがあります。またWi-Fiが遅いためダウンロードにも時間がかかりがちなほか、5Gに非対応なのも、いまとなっては大きなネックです。
iPhone16の顔認証より指紋認証の方が便利な場面も
もっとも最新モデルがすべての面で優れているわけではありません。なかでも評価が分かれるのは生体認証でしょう。
iPhone 16シリーズをはじめ現行のiPhoneのほとんどは生体認証として顔認証(Face ID)を搭載していますが、マスクをしているとうまく解除できない場合があるなど、万能とは言えません。その点、iPhone 6~8に搭載されている指紋認証(Touch ID)は、指さえ乗せれば画面を見つめることなく解除できるなど、使い勝手のよさを評価する声はいまなお多くあります。
また現行のiPhone 16では、音量ボタンの上にあるボタンが、ミュート以外にもさまざまな機能を割り付けられるアクションボタンに変更されているほか、右側面にはそれ以前のモデルになかったカメラ撮影用の専用ボタンも追加されています。うまく使えば便利なのですが、やや複雑化しているほか、ミュートボタンはスライド式からプッシュ式に改められたことで直感的に使いづらくなっており、必ずしもプラスとは言えません。
2024.12.01(日)
文=山口真弘