黒岩 今回の選挙もだけど、学んだことをすぐ活かすタイプだよね。

安野 「演説ではカタカナを控えるように」ってアドバイスもすぐ取り入れたしね。そうやって素直に成長を果たすタイプです(笑)。

黒岩 コンサル的だなと思ったのが、結婚にあたっての役割が因数分解されていて、さらに、その役割に対してどういうKPI(評価指標)を設定しシグナルが測れるかを、毎週土曜日に送られてくるフォームに記入してフィードバックするというシステムも作っていたこと。

安野 会社のストレスチェックなんかに着想を得て作りましたね。

黒岩 でも、私が面倒になってしまって、3回くらいで終わっちゃった。

安野 毎週打ち込む手間があったから、サステナブルなシステムかというと、そこは失敗だったね。

出会いは「マインスイーパーが世界一速い人」と「新しいプロダクトを生み出す面白い人」

――お二人は東京大学の同級生という間柄ですが、馴れ初めは?

安野 大学1年生の時から共通の友人も多く、顔見知りではあったんです。

 ちゃんと喋ったのは大学3年の時、エクストリームな人に取材するという教育プログラムの一環で、「マインスイーパー(PCゲーム)が世界一速い人」ということで、里奈にインタビューした時ですね。

 

黒岩 私の彼に対する当時の認知は、「新しいプロダクトを生み出す面白い人」。彼が大学のシラバス(授業計画)とSNSで流行っていた授業実況を連携させたシステムを作って開放していたんですが、自分は授業に出ない学生だったので、「こんな便利なものを作ってくれる人は最高だ!」と思ってたんです。

安野 その後、大学の総務課に呼び出されて怒られたけどね(笑)。

――では最初からお互いに好印象だった?

安野 横で見ていたらクリックのスピードがすごくて。やっぱマインスイーパー強い人っていいな、と思いました(笑)。

黒岩 「面白い人」というのは、当時からずっと変わらないですね。あと、友だちから言われて思い出したのは、私は本当に人の悪口をよく言うんですけど、「そんな里奈から、安野の悪口だけは聞いたことがない」と言われて。

2024.10.17(木)
文=小泉なつみ