近年のネットショップの発達で個人宅配が増え、粘着テープの付いた段ボールや結束テープを切る機会が少なくありません。また、リサイクルやゴミの分別が進み、牛乳パックを開いたり素材別に切り分ける機会も増えました。そんな時代を背景に、ひそかに進化している文房具があるのをご存知でしたか?

秘密は刃先のカーブにあり。
段ボールから牛乳パックまで、何でもござれ!

 手紙の封を切ったり、牛乳パックを開いたり、新しい洋服に付いているタグを外したりと、私たちの生活の中で意外と使用頻度の高い文房具、ハサミ。時代の流れで「切る」という行為が増えているのにもかかわらず、紙が厚いと切りにくく感じたり、段ボールを切るとなったら両手で力いっぱい握り締めなければならなかったりと、使いづらさを感じることはありませんか?

刃のカタチに注目! カーブのおかげで刃先でも軽い切れ味を実現。

 そんな悩みに応える最先端のハサミが近年、続々登場しています。その進化のポイントは刃の形。コクヨの「エアロフィットサクサ」を例に、ハサミの刃の違いと選び方について、コクヨS&Tの伊藤裕美さんに教えてもらいました。

「今までのハサミは、特に刃先近くで切るときに多くの力が必要となるなどの問題がありました。そういった問題を解決し、使うシーンに合わせたハサミがあるととても便利ですよ」。従来のハサミの刃は先端まで真っ直ぐ伸びていますが、「サクサ」では刃全体がカーブを描いているのだそう。

「ハサミは2枚の刃の角度が刃先に行くほど狭くなり、どうしても多くの力が必要となります。『サクサ』では、刃をあえてカーブさせることで刃先でも角度が狭くならず、最後まで軽い力で切ることができるのです」(伊藤さん)。

 実際に使ってみると、紙がサクッと切れるのはもちろん、3枚、5枚と増えてもらくらく。厚手の段ボールも驚くほどスイスイ切れて快感!

<次のページ> 使うシーンを考えて選ぶのも◎!

2014.04.17(木)
文=鈴木糸子
撮影=中井菜央