バナナマン日村が一番好きな時間

 バナナマンの日村(勇紀)さんは、「芸人マジ歌選手権」の収録や「マジ歌ライブ」の後に僕が頭から芸人を褒めていく姿を見るのが、一番好きらしい。

 自分が褒められるターンが終わると、「佐久間さん、褒めるのホント上手だな~」とニコニコして、「じゃ、角ちゃん(※東京03・角田晃広さん)は?」「次は、秋山(※ロバート・秋山竜次さん)で」と、食事をしながら2時間くらいずっと“ホメトーク”攻め。それだけで喜んでもらえると、僕までなんだか嬉しくなってしまうのです。

初対面で「褒めラベル」を貼る

 普段のコミュニケーションで相手を褒める絶好のタイミングはいつやってくるか分からないから、僕は出会った人にあらかじめ「褒めラベル」を貼って備えています。

 どういうことかというと、人に会った時に、口には出さずとも、いいなと思うところを見つけておく、ということ。

 初めての人なら、第一印象で感じた「元気がいい」とか「やさしい」みたいな浅いレベルで十分。内容もひと言で完結にまとめる程度で問題なし。

 これを自分が気がついたタイミングで更新していく。(稀に更新されないこともありますが)付き合いを重ねていくと、ちょっとずつこの褒めラベルが増えるし、深くなっていくんですよね。これは褒めのトレーニングにもなります。

超人見知り&自己評価が低かったオードリー若林

 仕事でお世話になっている身近な人で、褒めるトレーニングをして成長した人がオードリーの若林(正恭)くん。彼はもともと超がつくほどの人見知りというのは有名な話ですよね。おまけに自分への評価が異常に低くて、悪い想像ばかりが膨らんで人と上手く話せないタイプでした。

 その弱点を克服しようと決意して取り組んだことの一つが、他人のいいところを見つける作業。徐々に会話にも取り入れるようにしたら、スムーズに人と話せるようになれたそうです。

 ネガティブな思考グセに陥らずに会話できるメンタルと、コミュニケーション力を培えたのか、印象もずいぶん変わりましたよね。克服するのには実は結構時間がかかったんじゃないかと思うけれど、その成長は彼がMCを務める「あちこちオードリー」などでご存じの通りです。

2024.09.09(月)
文=佐久間宣行