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開幕までの課題は、生田さんのアイシャドウのボカし方!?

――今まで新感線の舞台で古田新太さんと共演がなかったというおふたりですが、今回念願叶っての共演ですね。稽古場で目の当たりにされた古田さんの印象をお聞かせください。

中村 基本的に早く帰りたがっているよね(笑)。

生田 本当にそう(笑)。

中村 あとは、少しでもふざけられる場所を探してる感じはします。古田さんはもうやるべきことは分かっちゃってるから。あとはそれ以外のおかずをどれだけ探せるかというスタンスなんですよね。ご本人も面白いほうが好きな人だろうし。

――お芝居の付け方などで、古田さんを参考にされていることはありますか?

中村 まだ、ちゃんとやってくれてないので(笑)。でも、稽古中、どうしてもいのうえさんが動きの演出に夢中になって時間を割いてしまう瞬間があるんです。古田さんがいると、「それ、後でやってくれるかなぁ」っていのうえさんに言ってくれるから、稽古が先に進むという良さがあります。

生田 あはは。確かに。

中村 あとはやっぱり、今回は僕と斗真くんにやらせて、自分は別のところに注力しようというのも多分あると思うんです。『天號星』のときみたいに古田さん自身がガッツリ前に出るときや、劇団☆新感線に初めて客演する人がいるときは、またきっと違う動きになると思います。今回は「お前ら、やっといて」という感じがある。

生田 そうだね。

中村 今回は、ラクさせてもらおうって考えてる気がします(笑)。

――では、今回の『バサラオ』で“ここに注目してほしい”というポイントがあれば、ぜひお聞かせください!

生田 僕の? だったら、僕は目もとのボカシ(笑)。

中村 美ゆえに美、だから(笑)。

生田 あのね、アイシャドウを塗るのは出来るの。ここは赤とか、ここは黒とか、塗るのは出来るんだけど、それをボカしてなじませるというのが、本当に苦手なんです。

中村 いや、待って。塗るのも出来てないから。

生田 8年前の僕とは違うぞ、と。8年前は上手くボカせなかったけど、40歳になる生田は違うぞ、というところを見せたいと思います。

中村 僕は自分のことで観てほしい、というのはないですね。作品として観てほしいと思っているので。他の人のことだとたくさんあるんだけど。

――では、作品としてぜひココを観て!というのを最後に中村さんからぜひ。

中村 楽しい要素がたくさんあるのはもちろんですが、新感線のいいところとして、「これまで演劇に触れて来なかった人も楽しめる内容」というのがあると思うんです。来たら損をしない劇体験はできるはず。これをきっかけに演劇というものを観てみようとなるんじゃないかなって。演劇というものをまったく観ないで終わる人生もきっとあると思うから。

生田 そうだよね。

中村 劇場でしか体感できないものというのは、劇場に来ないと体感できないんですよね。人生一度きりだとしたら、それを体感してみるのもいいんじゃないかと思います。

生田斗真

1997年、連続テレビ小説『あぐり』(NHK)でドラマ初出演を果たす。2007年、ドラマ『花ざかりの君たちへ~イケメン♂パラダイス~』(CX)の出演を機に注目を集め、以降、ドラマ・映画・舞台を中心に活躍。社会派作品でのシリアスな演技やアクションへの挑戦、映画でトランスジェンダーの女性役を好演するなど実力派俳優として幅広い作品に出演している。近年の主な出演作に、【ドラマ】『警部補ダイマジン』(23・EX)、特集ドラマ『幸運なひと』(23・NHK BSプレミアム/NHK BS4K)、【映画】『告白 コンフェッション』(24)、『渇水』『湯道』(23)、『土竜の唄 FINAL』(21)、『友罪』(18)、【舞台】『てなもんや三文オペラ』(22)、「挑む Vol.10~完~」新作歌舞伎『赤胴鈴之助』(21)などがある。劇団☆新感線には、『スサノオ~神の剣の物語』(02)、『Cat in the Red Boots』(06)、『Vamp Bamboo Burn~ヴァン!バン!バーン!~』(16)、『偽義経冥界歌』(19-20)以来5作目の参加となる。2025年放送予定のNHK大河ドラマ『べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~』への出演を控える。


中村倫也

2005年に俳優デビュー。数々のドラマ・映画などの映像作品や舞台作品に出演し、確かな演技力と豊かな表現力で役者として存在感を放っている。また、近著に「THE やんごとなき雑談」「THE やんごとなき雑炊」など俳優業のみならず多方面に活躍の場を広げる。14年に初主演舞台『ヒストリーボーイズ』で第22回読売演劇大賞優秀男優賞を受賞。19年にはエランドール賞新人賞を受賞。近年の主な出演作に、【ドラマ】『沈黙の艦隊シーズン1~東京湾大海戦~』(24・Prime Video)、『ハヤブサ消防団』(23・EX)、『石子と羽男-そんなコトで訴えます?-』(22・TBS)、【映画】『ミッシング』(24)、『沈黙の艦隊』『宇宙人のあいつ』(23)、『ハケンアニメ!』(22)、【舞台】『OUT OF ORDER』『ケンジトシ』(23)など。劇団☆新感線には『Vamp Bamboo Burn~ヴァン!バン!バーン!~』(16)、『狐晴明九尾狩』(21)以来3作目の参加となる。主演ドラマ『Shirink-精神科医ヨワイ-』(NHK)が8月31日より放送スタート。

2024年劇団☆新感線44周年興行・夏秋公演
いのうえ歌舞伎『バサラオ』

作:中島かずき 演出:いのうえひでのり
出演:生田斗真 中村倫也/西野七瀬 粟根まこと/りょう/古田新太 他

「ヒノモト」と呼ばれる国で幕府と帝が相争う時代を舞台に、自分自身の美しさを武器に天下取りを目指す男、そんな男の参謀としてバディとなる元・幕府の密偵の男、そしていきすぎた自分の信念のために裏切り裏切られる人々の物語。コロナ禍以降、意識的に明るい作品を上演してきた新感線が、久しぶりに楽しいばかりではない、今までとはひと味違ったダークなトーンの作品を上演!

<福岡公演>博多座 2024年7月7日(日)~8月2日(金)
<東京公演>明治座 2024年8月12日(月休)~9月26日(木)
<大阪公演>フェスティバルホール 2024年10月5日(土)~10月17日(木)

http://www.vi-shinkansen.co.jp/basarao/

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2024.08.09(金)
文=前田美保 写真=佐藤亘
ヘア&メイク=豊福浩一(Good)、スタイリスト=前田勇弥<生田斗真さん>
ヘア&メイク=Emiy、スタイリスト=戸倉祥仁(holy.)<中村倫也さん>