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大真面目にどこかふざけていたい

――従来の還暦のイメージからは程遠いとご自身はおっしゃっていますが、光石さんは俳優としてプロフェッショナルでありつつ、無理して若ぶろうとしていないのに若々しい。「ニュータイプ」の大人だと思います。

 それはどうでしょう(笑)。

――「エフォートレス(気楽な)思考」という言葉も最近聞きますし、服もゆったりしたサイズが流行っているなど、いまは気張らずに生きる、自然体が広く求められている気がします。

 いやいや、そういう人もいるかもしれないけれど、伊勢丹のメンズ館の2階のような、ビシッとしたスタイルが好きな人もきっとたくさんいますよ(笑)。

――新しい素敵なおじさんの先頭に立っている自覚はないですか?

 全く! そんなこと1ミリも思ってないです!!

――では、いま若い人たちが光石さんを慕ってきているのは、不思議な感覚ですか?

 内心、「嘘つけ」と疑っています(笑)。

 もちろん、いろいろなお仕事でお声がけいただけるのは嬉しいし、ありがとうございますという気持ちでいます。

 意味深い俳優論を僕に期待する若い俳優は「このおじさん、論がないよ」と失望して離れていきますけど(笑)。

 ふざける、と言うと言葉があまりよくないけれど、ずっとふざけていたいんですよね。お芝居だって、冷静に考えたら、おかしな行為だと思いません? いきなり大人が大声で怒り出したりして。

 大真面目にどこかふざけていたいんですよね。(最初から読む

【前篇】光石さんと北九州、東京。
【中篇】愛犬を甘やかす日々
【写真30枚以上】グリグリとのお散歩フォト

光石 研(みついし・けん)

1961年生まれ、福岡県出身。高校在学中に映画『博多っ子純情』のオーディションに合格し、主演デビュー。以降、映画、ドラマなど映像を中心に活躍。主演映画『逃げきれた夢』は第76回カンヌ国際映画祭ACID部門に正式出品・第33回 日本映画プロフェッショナル大賞 主演男優賞を受賞。映画『ディア・ファミリー』が公開中。『南くんが恋人!?』(テレビ朝日)が7月16日より放送スタート。

リバーサイドボーイズ

著者:光石 研
価格:1,760円(税込)
発行:株式会社 三栄
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2024.07.06(土)
文=黒瀬朋子
撮影=榎本麻美
ヘアメイク=大島千穂