「猫って、孤高でクールな存在だと思い込んでいたんですけど…」
――10年以上ずっと猫を相手に写真を撮っていて、何か変化を感じることはありますか。
沖 猫って、孤高でクールな存在だと勝手に思い込んでいたんですけど、実際はメッチャ喜怒哀楽が激しいんです。
しっぽの揺れであったり、目の動きとか、耳がイカ耳になったり、うれしいときはひげがブワーっと開くし、毛がゾワゾワゾワゾワ動いたりとか、心がずっと揺れてるのがわかって。興味もバンバン変わるし、上下関係があったり、親子でもなにかのタイミングでめっちゃ仲悪くなるとか、そういうのがすごく人間臭い。
ずっと猫を撮っているけど、新しいものを撮る度に、撮れてないものを発見するんですよね。いまだに、「こんなの見たことない」って一枚が撮れることがあって、「自分ってまだ全然猫のことを知らないんだ」と思うから、飽きずに続けられるのかもしれません。
2024.05.15(水)
文=小泉なつみ