明治37年(1904年)竣工の京都府庁旧本館は、創建時の姿をとどめる現役の官公庁建物としては日本最古のもので、国の重要文化財に指定されています。ルネサンス様式に属する建物の外観は、なんとなくルーブル美術館に似た趣を感じさせます。
建物の内部は見学可能で、結婚式の会場としても利用できます。映画やテレビドラマ等の撮影にも利用され、「坂の上の雲」や「落日燃ゆ」などに登場しています。
中庭には6本の桜があり、多くの府民に親しまれています。写真は円山公園の初代の枝垂桜の孫に当たる祇園枝垂桜です。桜守の佐野藤右衛門氏の調査の結果、6本のうち1本が大島桜と山桜の特徴を持つ珍しい品種と判明、京都府庁敷地には京都守護職上屋敷があったことから、守護職であった會津藩主・松平容保の名を取って「容保桜」と命名されました。佐野籐右衛門氏によれば、通常の山桜より大輪であるそうです。
開花の時期は入場は無料の「観桜祭」が開催され、今年も3月29日~4月7日10時~17時「ハル ハナ 美術館」をテーマに様々な展示・コンサートやワークショップなどイベントを楽しめます。撮影は、桜の巨木越しに庁舎を入れるだけでなく、庁舎内の窓枠がとても趣があるので、それを額縁のように見立ててその中に桜を入れるのがお勧めです。露出はアンダー目に。
京都府庁のアクセス
交通手段 市営地下鉄「丸太町」駅下車。市バス「府庁前」下車。
小林禎弘
フォトグラファー。京都市生まれの京都市育ち。同志社大学を卒業後3年間の公務員を経て撮影の世界へ。雑誌、書籍、広告を舞台として、京都を中心に西日本を幅広くカバー。「撮影歴30年ですが、それくらいでは京都の事はまだまだわかりまへん」。
2014.03.08(土)
文・撮影=小林禎弘