これから先に掲げる理想は……秘密です!
――吉田さんは、朝ドラに出演されていたときの役を中井貴一さんに見いだされたというブレイクのきっかけがちょうど30歳前後に訪れたと伺いました。CREAの読者も同世代です。いま、振り返って30代の女性に掛けていきたい言葉はありますか?
20代から役者をスタートして、ちょうど私が映像に移行したのが30代で、本当に転機の時期だったんです。その時は年齢的にも「すでに手遅れ」と言われることが多かったですし、プロフィールさえ見てもらえないという、悔しい想いもたくさんしました。でも、なぜか「絶対大丈夫だろう」という根拠のない自信が自分にはあって。
何よりも、どんなお仕事でもいただけることがありがたくて嬉しかったですし、そもそもスタートが遅いんだから、仕事をいただけるだけですごいこと! と思っていたんですよね。そして、何より楽しかった。だから、どうなるだろうと考えてもしょうがない将来の不安に絡めとられることなく、無邪気に毎日の楽しみを噛みしめて過ごしてきた過去の自分に感謝したいと思います。
当時を振り返ると、上手くいかないときに「今じゃないだけ」「私の仕事じゃなかっただけ」と前向きに考えていた気がします。そういうふうに発想の転換ができて、常にポジティブにいられたところも良かったのかなって。
私は会社勤めをしたことがないので、『CREA』読者世代の皆さんには私には計り知れないご苦労がたくさんおありだと思うのですが、でも、何があっても自分だけは自分の味方でいてあげてほしいなと思います。自分の人生は誰のモノでもなく、誰が助けてくれるわけでもありません。いくつになったらこうしなくちゃ、というのもない。ワクワクすることや楽しいと感じることで周りをいっぱいにして、自分のご機嫌を取りながら過ごしてほしいですね。
――これから先、吉田さんが描いていらっしゃる目標や夢、目指しているゴールや理想の姿などをお話いただけますか?
理想? ありますよ。でも、言いたくない。描きかけの絵を見せたくない、みたいな気持ちです(笑)。
まだまだ未完成なんです。やっと足の親指の爪の分くらい進んだかなぁぐらいのところにいるので、まずは目の前にあるお仕事を一生懸命やって、皆さんに喜んでいただけたら、また次のお仕事をいただけるのかなと思っています。
――お忙しい毎日を快適に過ごすために、守っていらっしゃる習慣はありますか?
毎月体調に合わせて茶葉をブレンドしてもらったハーブティを水筒に入れて持ち歩いています。あとは、日々のランニングと週1回のパーソナルジムかな。
2019年の秋から走り始めたんですが、そのときに入っていた舞台で、どうにもこうにも私は肺活量も少ないし、代謝も落ちてきたのを実感してしまい、「あ、私運動してないわ」と気付いて。スポーツクラブも会費だけ払って行かなくなることがあったので、とにかくお金をかけずにすぐに始められることってランニングじゃん!と思って、家の周りを走り始めました。
最初は100mダッシュもできない状態でしたが、継続は力なりですね(笑)。今は3~4キロくらい走ります。森さんがよく「稽古は裏切らない」っておっしゃるんですけど、そのとおり、鍛錬も裏切らないと思います。
――CREAでは贈り物やお取り寄せも人気特集のひとつなのですが、吉田さんが日頃お取り寄せなどで気に入っていらっしゃるものを教えてください!
福岡にシフォンケーキ専門店マリィというお店があるんですが、私、福岡空港で初めて購入したんです。そしたら、すごく美味しくて。フワフワで柔らかくて、もう、飲めるシフォンケーキ!(笑) 嚙まなくていいくらい。
種類もたくさんあるんですよね。帰るたびに買って帰ります。あまり日持ちがしないんですが、それは作りたての証。今日、明日会うという人にじゃないとお土産にできないけれど、それこそすごく貴重。買いたて、ほやほやというので、相手も喜んでくださると思います!
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吉田羊(よしだ・よう)
2月3日生まれ、福岡県出身。1997年より舞台を中心に活動をスタート。12年には連続テレビ小説『純と愛』に出演、14年にフジテレビ『HERO』第2期で女性検事役に抜擢されて、一躍脚光を浴びる。以来、様々な話題作への出演が続いている。近年の主な出演作は、【舞台】『ツダマンの世界』『ザ・ウェルキン』(22)、『ジュリアス・シーザー』(21)、【映画】『クレイジークルーズ』『Winny』『イチケイのカラス』(23)、【ドラマ】『不適切にもほどがある!』(24・TBS)、大河ドラマ『光る君へ』(24・NHK)、『侵入者たちの晩餐』(24・NTV)など。2024年5月17日より映画『ハピネス』が公開。
PARCO PRODUCE 2024『ハムレットQ1』
作:ウィリアム・シェイクスピア
訳:松岡和子
演出:森 新太郎
出演:吉田 羊 飯豊まりえ 牧島 輝 大鶴佐助 広岡由里子 吉田栄作 ほか
https://stage.parco.jp/program/hamletQ1/
衣裳協力
ジャケット 79,200円、ビスチェ 39,600円、パンツ 46,200円(全てエズミ/リ デザイン 03-6447-1264)、カットソー 31,900円(プント ドーロ/ブランドニュース 03-3797-3637)、ピアス 121,000円、イヤカフ 64,900円、リング(左手中指) 94,600円、(左手人差し指) 82,500円(全てヒロタカ 表参道 03-3478-1830)、バングル 17,600円(アデルビジュー ショールーム 03-6434-0486)、サンダル/スタイリスト私物
2024.05.11(土)
文=前田美保
写真=佐藤 亘
ヘアメイク=吉川陽子
スタイリスト=井坂恵(dynamic)