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日本からゴールド・コーストへの玄関口となるのがクイーンズランドの州都であり、オーストラリア第3の都市であるブリスベン。
中心部を流れるブリスベン川の畔に都市が広がり、多くの観光客を惹きつけている。
![クイーズランドの州都ブリスベン。中心地となるサウスバンク文化地区には博物館や科学センター、近代美術館などがある。](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/e/c/1280wm/img_ecbdb0f1c89415fca9b181379c56356f119985.jpg)
絶対訪れるべき話題のブリュワリー
◆Felons Brewing Co.(フェロンズ・ブリューイング・コー)
![“オーストラリアン・ペールエール”など定番6種のほか、期間限定ビールなども製造。](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/f/b/1280wm/img_fbeb6f4ce845dc341a14553c361b5653107728.jpg)
今、この街で話題を集めているのがランドマークであるストーリーブリッジの真下に誕生した「フェロンズ・ブリューイング」。SDGsを追求するクラフトビール醸造所である。
![ブリスベン川とストーリーブリッジを眺めながら「乾杯!」。](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/2/5/1280wm/img_25e0f819110a2e3415737d4289549651157472.jpg)
「何か大きな施設を造れば、地域にも環境にも迷惑をかけてしまう」と語るマネージャーのジェレミーさん。
![醸造所を案内してくれたジェレミーさん。](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/7/a/1280wm/img_7accf4652208d4ba792444936e085cf9186471.jpg)
フェロンズでのビール造りでは、サステナビリティを考慮した原料選びにとどまらず、製造工程で発生する廃棄物にも目が向けられ、堆肥化やリサイクルなどを徹底。日々の消費量に合わせて“造りすぎ”にも細心の注意を払う。
![使わなくなったワインやウイスキー樽をビール造りに再利用。その香りを移したビールが誕生した。](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/1/e/1280wm/img_1eb3e1768d33945ce8454714478b569c171836.jpg)
さらに併設するレストランでは、生ごみのコンポスト化はもちろん、最近ではそれを餌にして蠅の幼虫を繁殖させ、牛や豚の飼料とする試みも始まったという。
毎日大量に発生する生牡蠣の殻は海に沈めて漁礁として活用するなど、取り組みは多岐にわたり、廃棄物の95%削減を達成。
![ビール各種 200ml 6ドル~。](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/e/3/1280wm/img_e39d3c6efc6326c15149abe462a7774e106230.jpg)
さらに目指すは廃棄物ゼロだ。「その目標をスタッフ全員が共有しているからこそ、訪れるお客様にもその哲学を伝えることができ、共感を得ることができるのです」
これらの取り組みと美味しさが評判となり、店内はいつも大盛況で、店舗もどんどん拡張中。SDGsが生み出すいい循環を体験できる貴重な場所なのだ。
![“パシフィックオイスター” 1個6ドル。](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/e/7/1280wm/img_e7452ffa0ffafd70178ccd49e21474ff116763.jpg)
Felons Brewing Co.(フェロンズ・ブリューイング・コー)
所在地 5 Boundary Street, Brisbane
電話番号 07 3188 9090
営業時間 11:00~深夜
定休日 無休
https://felonsbrewingco.com.au/
2024.05.09(木)
文=矢野詔次郎
撮影=志水 隆
コーディネイト=宮坂ちえ、箕輪洋一(OCEAPRO)
CREA Traveller 2024 vol.2
※この記事のデータは雑誌発売時のものであり、現在では異なる場合があります。