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山本山10代目当主が自宅で食べていた麺をアレンジした【海苔めん】

【海苔めん】(数量限定)

 そして、米だけでなく麺好きに大人気の喫茶メニューもあります。その名も「海苔めん」。子供から大人まで愛される「海苔めん」は、あっと驚くその様子と圧倒的なおいしさで、これを目指して来店されるお客様もいるという病みつきになる麺料理。

 それもそのはず、山本山の10代目当主が自宅で作っていたまかない料理を、料理長がアレンジしたメニューなのだそうです。海苔の魅力を知り尽くす山本家の定番メニューですから、そのおいしさは言わずもがな。

 麺はコシとなめらかな食感が特徴の香川県小豆島産の手延べ麺を使用。それに、山本山の高級焼海苔「あさくさ」を自家製出汁に時間をかけて溶かし込んだ“海苔だれ”を絡めていただくというシンプルな麺料理ですが、シンプルなだけに“海苔だれ”の豊かな旨みと海苔の香をしっかりと感じることができます。

 ご紹介した3品だけでも海苔のプロ、山本山が営む「山本山 ふじヱ茶房」のすごさが十分お分かりいただけたのではないでしょうか。

 「不易流行」を重んじ、伝統を守りながら時代とともに新しい息吹を商品に吹き込んできた山本山。後篇では、お茶とスイーツをご紹介します。

山本山 ふじヱ茶房

所在地 東京都中央区日本橋2-5-1 日本橋高島屋三井ビルディング1階
電話番号 03-3271-3273
営業時間 物販 10:30~18:30、喫茶 11:00~18:00(※予約可)
お持ち帰り弁当 11:00~18:00
定休日 施設に準ずる
料金 季節のお茶 1,700円、宇治玉露 2,300円ほか(お茶には和菓子が付いています)、抹茶わらびもち・お茶セット 2,200円、にほんばし海苔弁当 2,200円(持ち帰り弁当)など
https://fujie.yamamotoyama.co.jp/

山本山

1690年(元禄三年)初代・山本嘉兵衛が日本橋に茶・紙類を商う商店を開く。江戸期には「煎茶」を初めて販売し、六代目当主が「玉露」を発明するなどしてお茶の普及に寄与した。1947年からは海苔の販売も開始。不易流行の精神でお茶と海苔の新しい価値を提供している。2018年、創業の地に「山本山 ふじヱ茶房」をオープン。※※「山本山」とは「山本家の茶園」を意味する。

次の話を読む「実は山本山の歴史は海苔ではなく…」“日本最古の煎茶商”が提供する“丁寧に淹れたお茶”の衝撃食体験

2024.04.27(土)
文=齋藤素子
写真=志水 隆