今年1月から放送されている大河ドラマ『光る君へ』は、『源氏物語』の作者として知られる紫式部の生涯に迫った作品だ。脚本を担当したのは、『セカンドバージン』をはじめ、数々の話題作を手掛けてきたベテラン・大石静さん。しかし、当初は舞台が平安時代ということもあり、引き受けることに若干の躊躇もあったという。制作発表の記者会見において、「セックス・アンド・バイオレンスを描きたい」と語った大石さんに、執筆の上での力点や、自身にとっての紫式部像など、有働由美子さんが訊いた。
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大石 有働さん、相変わらず色っぽいですねぇ。
有働 ええっ!? 色気なんてまったくないと思いますよ。
大石 何を言ってるの。本当は自覚しているでしょう?
有働 いま浮いた話といえば、犬とチューするくらいしかないです。
大石 これはぜひ書いてほしいのですが、有働さんがNHKにいらした頃、一緒にドラマを作っていた男性プロデューサーが打ち合わせ室に入ってくるなり「今、有働さんとすれ違った!」と嬉しそうに報告するんですよ。すれ違っただけでですよ。みんなが、有働さんを好きで好きでたまらないんだな〜と思いました。
有働 本当ですか。なんで気づかなかったんだろう……。
大石 私も有働さんの番組に何度も出させていただきましたが、現場ではメインキャスターとして見事に番組全体を仕切っているのに、画面越しだとホンワカとして可愛らしく見える。このギャップが人の心をそそるんだろうなと思っていました。
有働 え〜、ありがたい。もう一回NHKに入り直そうかな(笑)。
大石 色気って基本的には天性のもので、無い人が踏ん張っても出せるものではないですものね。役者もこの天性の色気がないと、作品のど真ん中を張ることは出来ないと思います。
吉高由里子には色香がある
有働 大石さんは1986年に脚本家としてデビューし、NHKの連続テレビ小説『ふたりっ子』『オードリー』や、『セカンドバージン』『家売るオンナ』など数々の話題作を手がけてこられました。現在は2024年の大河ドラマ『光る君へ』の脚本をご執筆中ですが、このドラマでど真ん中を張る俳優さんも、やはり色気がありますか?
2024.03.22(金)
出典元=『文藝春秋 2024年1月号』