とんかつ屋ではヒレよりロースのほうがいい
とんかつもみなさんが大好きなメニューでしょう。多くの方は「揚げ物の油脂が問題」と思うかもしれません。揚げることで油脂を摂取するので、ロースをやめてヒレにしようとなさる方も多いと聞きます。
しかし、油脂は摂取することで血糖値上昇を抑制してくれます(*2)。
*2 J Am Coll Nutr 2009; 28(3): 286-295
油脂ではなく、問題はとんかつの衣(パン粉。1枚で糖質20~30g)やとんかつソース(大さじ1杯5.6g)に多く含まれる糖質です。
私も学生時代は、とんかつソースをおかわり自由のキャベツにたっぷりかけて、考えると糖質かぶせで食べてしまっていました。しかし、むしろ、とんかつを楽しむのであれば、ヒレでもロースでもOK。油脂の多いロースのほうがよりいいくらいです。一緒の白米の量を軽くし、味つけをソースよりもおろしポン酢や塩レモンにしていただくといいでしょう。
また、楽しく鉄板を囲むお好み焼きも、問題は「豚バラ」や「マヨネーズ」ではありません。糖質量として多いのは、素材としての粉そのものとお好み焼きソースです。
お好み焼きソース(大さじ1杯7.1g)は大さじ1杯では済まない量を塗っている方も多いかもしれませんが、ソースよりもマヨネーズをメインに塗りつけて、豚バラをたっぷりにすることが大切です。
小麦粉を山芋にすることで健康上のメリットをうたっているレシピもありますが、山芋もあくまで芋であり、糖質量が豊富ですので、ご注意ください。
さらに、みんなが大好きなカレーライスもお米の量だけを気になさる方もいらっしゃるようです。具材のジャガイモの糖質にお気づきの方もいらっしゃるかもしれません。しかし、日本で一般的なカレーのルーはとろみづけに小麦粉などの糖質豊富な食材が使われています。たとえば、市販のカレールーのキューブ1個で7.6gです。カレーライスは糖質かぶせの上をいく「トリプル糖質」というわけで、要注意なのです。
幸い、チェーン店のカレーライス店では、白米をカリフラワーに変更することで糖質量を減らせるお店もあります。食べるのをやめる、ではなく、工夫することで食べられるようにする、を心がけたいですね。
なお、寒い時期の和食に使用される餡のとろみ(中華料理の餡かけにも使われます)は片栗粉です。同様に、ごま豆腐などに使用されるのは葛粉です。片栗粉も葛粉もいずれも糖質そのものです。糖質量としてのカウントを忘れないようにご注意ください。
〈睡眠の質を高める乳酸菌飲料が身体に悪影響を与える…!? 糖質制限のトップドクターが明かす“間違いだらけの「飲み方」”問題〉へ続く
糖質疲労
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2024.03.18(月)
著者=山田 悟