『ラヴィット!』などテレビでも人気のスタイリストが教える「捨て時」を見極めて愛用品だけのクローゼットにする方法〉から続く

 コーディネートのカウンセリングはもちろん、ショッピングや美容室への同行、自宅のクローゼットチェックやメイクレッスンまで行って、17年間で約3万人の人生を変えてきたパーソナルスタイリストの霜鳥まき子さん。そんな霜鳥さんの「週刊文春」連載コラムをまとめた新刊『似合う服だけ着ていたい 幸せを呼ぶ「名刺服」の見つけ方』の一部を抜粋し、紹介する。(全3回の3回目/最初から読む

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「カジュアルスタイル」を作りたいときに真っ先に思い浮かぶのがボーダーとデニム。子供の運動会の時期になると、カジュアルが苦手な方が慌ててその二つを買う様子をよく見かけます。でも皆さん、自分が本当に素敵に見えるボーダーのトップスとデニムを持っている自信、ありますか?

「無難」が市民権を得て、プチプラブランドで、そんなに主張がなくてもなんとなく綺麗に見えるものが買えたりする今、「これだ!」という核心に迫れなくてもとりあえず着る服には困らないようになりました。ただそのせいで、十数枚家にあるけれどどれも……みたいなことも多いのがボーダーとデニム。これらは確かに無難なアイテムではありますが、だからこそお相手への見る目は厳しくなっていて、シルエットやサイズ感・質感をどなたでも比較的ジャッジできてしまいます。少し理想と違うだけでも「あれ?」となることが多いのです。

 では、素敵! と振り返りたくなるようなボーダー&デニムコーディネートの人は、どのように着ているのでしょう。首の刳(く)り・袖幅・丈・ボーダー幅・ボーダーの配色・素材感が自分と合っているかをきっと厳選していますし、それに合うバランスや色落ちのデニムを合わせているはずです。

ボーダーの幅や色も重要

 実は「無難」なアイテムこそ、自分に合っているかどうかの見極めが重要。そうでないと「無難」の範疇にも残れません。特にボーダー幅と配色は、何センチなのか、黒×白? ベージュ×白? はたまた白多め×紺? などで、似合う似合わないが大きく変わってきます。「厳選した上の素敵」に辿りつくにはかなりの労力が必要なのですが、それに気づかず、とりあえずこれでいいかと家にあるボーダー&デニムを着て出かけると、本人もそれに慣れてしまい「不快感がないだけのコーディネート」が常態化していくのだと思います。

2024.03.10(日)
著者=霜鳥まき子