冷たく乾いた木枯らしが吹き、日本に冬がやってきました。自然の美しさと厳しさをひときわ感じる季節です。

 凍てつく寒さが生む景色や、澄んだ空気に映えるイルミネーション……日本各地の冬ならではの絶景・風物詩を集めました。

 暖かくして、今しか見られない冬景色に会いにいってみませんか? 今回は、広島県が誇る冬の絶景・風物詩をピックアップ。日本の各地に息を呑むような素晴らしい景色が広がっています。

» #01 縮景園
» #02 たけはら町並み保存地区
» #03 神楽門前湯治村
» #04 マルミエロテン
» #05 安芸灘とびしま海道
» #06 レモン鍋
» #07 海霧
» #08 雪のテングシデ群落
» #09 日本酒の仕込み
» #10 上下町のひな人形

» 日本の隠れ絶景・風物詩リスト


◆縮景園

 江戸時代初頭に、茶人で知られる浅野藩家老の上田宗箇により、浅野藩主の別邸の庭として築成された縮景園。中国の世界的な景勝地「西湖」をイメージしてつくられたと言われる園内は、山川の景、京洛の態、深山の致を庭の中に縮景していることから、「縮景園」と名付けられた。

 築庭400年を迎えた縮景園には、毎年12月下旬から3月中旬頃に7品種、約115本の梅が花を咲かせる。凛と咲き誇る梅を鑑賞する方法のひとつとして、水上タクシーもおすすめ。そのまま広島市内の名所を水上で巡ってみれば、普段とは違った優雅な観光を楽しめるだろう。

縮景園(しゅっけいえん)

所在地 広島県広島市中区上幟町2-11
https://dive-hiroshima.com/explore/306/

◆たけはら町並み保存地区

 平安時代、京都下鴨神社の荘園として栄えた歴史から、竹原は安芸の小京都と呼ばれている。そのシンボルと言えるのが、落ち着いた風情を漂わす江戸時代にタイムスリップしたような町並み保存地区。多くの家の門前には、おもてなしを表現した花が飾られていて風情が漂う。

 保存地区内には魅力的なカフェが点在し、散策の途中に温かい飲み物をいただきながら、ホッと一息つくことができる。また、藤井酒造株式会社の酒蔵交流館では、酒蔵の一角が情緒たっぷりのコミュニケーションスペースとして開放され、無料で試飲できるコーナーもある。

たけはら町並み保存地区(たけはらまちなみほぞんちく)

所在地 広島県竹原市本町1-1-1(道の駅たけはら)
https://dive-hiroshima.com/explore/127/

2024.01.29(月)
文=桐生奈奈子