◆日本酒の仕込み

 東広島市の西条は、国内外の愛飲家たちから知られる銘醸地のひとつ。酒造りに最適な気象条件が揃う冬の寒い時期になると、早朝には町中に米を蒸す蒸気があがり、酒都西条ならではの冬の風物詩となっている。

 空調管理が容易になった現代では一年を通じて日本酒を造ることができるが、冷え込みの厳しい1月に仕込みをした日本酒は「寒造り」と呼ばれ、特に人気。

 市内には西条酒蔵通り、広島杜氏の祖・三浦仙三郎出身の地である安芸津、のどかな田園風景が広がる黒瀬に蔵元があり、それぞれ特色のある酒造りが行われている。各酒蔵の味をぜひ飲み比べてみるのもいいだろう。

日本酒の仕込み(にほんしゅのしこみ)

所在地 広島県東広島市

◆上下町のひな人形

 明治から昭和にかけてひな人形を買うお客で賑わっていた府中市上下町では、2月から3月頃になると、「天領上下ひなまつり」が開催され、ひな人形の展示が行われる。

 白壁の土蔵造りの旧家や格子窓の建物が立ち並び、歴史の面影を色濃く残す町並みが美しい上下町では、期間限定で通りに面した資料館や商店の店頭にひな人形を飾り、訪れる人々をもてなしている。

 江戸時代から現代に至るまでのさまざまなひな人形を楽しみながらのんびりと散策すると、心が穏やかに。

上下町のひな人形(じょうげちょうのひなまつり)

所在地 広島県府中市上下町

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