消費税UPだけじゃない!
アベノミクスショックをどうやって乗り切る?

 4月からの消費税8%スタートを前に、日本中が右往左往している今日この頃。でも、対策を講じるべきは消費税アップだけじゃなかった! 物価の急上昇に、保険制度の変更ラッシュ……。お金の最新知識を取り入れて、アベノミクス下での上手なマネープランを考えよう。

CHAPTER 2 [投資]
Navigator ファイナンシャルプランナー 深野康彦さん

 今年1月からはNISAも始まり、より「貯蓄から投資へ」という機運が強まっている。投資の仕組みを正しく理解して、自分なりの投資スタイルを作っていこう!

ポイントは分散投資。
話題のNISAはデメリットに注意

 値動きのある金融商品には、大きく殖える可能性もあるが、大きく減る可能性もある。できるだけ失敗しない投資のポイントは“分散投資”だ。投資対象を複数持ち、外貨建て商品も取り入れ、一度にたくさん買わない。深野さんは、「投資対象は、自分が興味のあるものから始めたほうが、情報収集の点でもいいと思いますよ。投資タイミングがわからない場合は、投信積立、外貨積立などがおすすめ。少額ずつ買っていく積立なら、投資時期に迷うことなく始められます」とアドバイス。

 今、投資先として検討したいのは、ETFとREIT。ETFは、日経平均株価のような株価指数などと連動して動く投資信託で、一般的な投資信託より低コスト。REITは、不動産に少額から投資できる投資信託で、全銘柄の配当の平均が3.7%と高いのが魅力だ。また株に挑戦するならば、安定感があり、配当や株主優待などでお得感のあるものを。「証券会社のスクリーニング機能を使って、投資金額20万円以下、配当4%以上の銘柄を検索し、株主優待の内容で絞るといいでしょう。そのうえで、業績、株価の現在位置を見て、買うかどうか判断を」(深野さん)。

 さらに注目は1月に始まったNISA(少額投資非課税制度)。毎年100万円の投資までは配当金や譲渡益が非課税になるお得な制度だ。欠点は、損を出すと非課税のメリットが受けられないこと。うまく利用して、賢く投資を始めよう。

分散投資のすすめ

投資対象の分散

 株や債券、不動産、外貨、金など、値動きの異なるものに分散して投資しておくと、投資環境が変化しても、全ての価値が一度に下がるリスクを避けられる。

通貨(国)の分散

 日本国内の円建ての金融商品だけに集中せずに、外貨建ての預金、MMF、投信、株式、債券などにも投資すると、為替リスクと国ごとの経済リスクを分散できる。

時間の分散

 値動きのある商品を購入する場合、一度にたくさん買うと高値掴みする可能性があるので危険。積立などで定期的に一定額を買っていくと、購入時期が分散できる。

最新投資Keyword

ETF(上場投資信託)

 株価指数などに連動するように設計された金融商品。証券取引所に上場されているので、株と同様、証券会社から市場価格で売買可能。運用管理費用が安いのもメリット。価格は数万円~さまざま。

REIT(不動産投資信託)

 不動産への投資を小口化した金融商品。株と同様、証券会社から市場価格で売買可能。収益を投資家に分配する仕組みで、利回りが高めなのもメリット。価格は数万~100万円超までさまざま。

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2014.02.07(金)
文=生島典子
イラスト=浦野周平(Shu-Thang Grafix)

CREA 2014年3月号
※この記事のデータは雑誌発売時のものであり、現在では異なる場合があります。

この記事の掲載号

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