すでに業界内ではネクストブレーク候補と言われている彼らだが、大型賞レースのファイナリスト経験はない。このチャンスをものにして飛躍してほしい。

【シシガシラ】

「容姿いじり」が敬遠されるこの時代に、脇田浩幸(右)のハゲいじり一本で漫才をやり続けている異端の漫才職人。ハゲいじりの引き出しの多さと掘り下げの深さでは右に出る者はいない。脇田が自ら仕掛けるハゲネタはただの自虐にとどまらない味わいがある。

『M-1』では準々決勝の高い壁に阻まれ続けていて、今年初めて準決勝進出を果たした。薄毛の人もそうではない人も、何も気にせず心から笑える良質のハゲいじりを堪能してほしい。

【くらげ】

 2019年の『M-1』で結成2年目にして準決勝進出を果たして話題になったコンビ。さまざまなフォーマットの漫才をひねり出す頭脳と、それを形にする表現力を兼ね備えている。今年も新しい「技」を開発して見事に準決勝まで駒を進めた。

 何をしでかすかわからない、つかみどころのないその芸風は、まさにふわふわと海中を漂うくらげのようだ。

 12月7日開催の準決勝を経て、12月24日には決勝の模様が朝日放送・テレビ朝日系列で生放送される。新たなスターが生まれる瞬間を見届けてほしい。

2023.12.13(水)
文=ラリー遠田