#286 Miyakojima
宮古島(沖縄県)

 本土から見て、沖縄本島よりも南に位置する島々の総称を、先島諸島といいます。宮古島を中心とした宮古列島と、さらに南下した石垣島を中心とした八重山列島からなり、それぞれ独自の文化や地形をもっています。

 たとえば、方言も「ようこそ、いらっしゃい」は、宮古列島では「んみゃーち」、八重山列島では「おーりとーり」。ちなみに、沖縄本島ならば「めんそーれ」。まるで、別の国の言語のようです。

 地質でいえば、宮古列島はサンゴ礁が隆起した平坦な島であるのに対し、八重山列島は様々な地質があり、石垣島には沖縄県最高峰の於茂登岳(おもとだけ)もあります。同じ先島諸島でも、それぞれ雰囲気が異なります。

 さらに宮古列島と八重山列島が違う点には、周辺離島へのアクセスもあげられるでしょう。宮古島周辺には、北に池間島、南西に来間島、西に伊良部島が浮かび、それぞれ橋でつながっています。つまり、船に乗り換えることなく、クルマで自由に行き来ができます(大神島と多良間島は別)。一方の八重山列島は、離島へは船を利用することになります。

 サンゴ礁でできた宮古島は、川や池などがないため、土砂が海に流出することはありません。そのため透明度が高い周辺の海は、“宮古ブルー”と呼ばれるジュエルのような青さです。キラキラした海上を渡る離島へのドライブは、そのまま空へ飛んでいけそうな錯覚をおぼえます。

 宮古島と離島を結ぶ橋のうち、西沖の伊良部島に架かっているのが伊良部大橋で、長さ3,540メートル。通行無料の橋のなかでは、日本最長を誇ります。

 その伊良部大橋、クルマで渡るのもいいですが、海と織りなす光景がまた、なかなかの絶景。それを好きなだけ眺められるリゾートが誕生しました。

2023.11.04(土)
文・撮影=古関千恵子