それでも使いたい……美容師目線での「注意点」

 それでも、様々な理由から「染まるシャンプー」を利用したい方もいると思います。そこで、利用したい方へ向けて、注意点をお知らせしておきます。

  • 容量をしっかり守って使いましょう。ケチってしまうときれいに発色せず、ムラになりやすくなります。
  • 塗布後、表記通りの時間を置きましょう。時間が短ければ染まりにくくなり、逆に必要以上に時間を置いてもより濃く染まる効果は見込めません。
  • パッケージの色見本のように染まることには、期待しないようにしましょう。多くのメーカーでは「ダークブラウン」「ミディアムブラウン」「ライトブラウン」などと表記されていますが、こういった表記に明確な指標はなく、商品によって染まる色味が違う可能性が高いです。
  • 美容室を訪れる1週間前には使用を止めるようにしましょう。美容室で白髪染めを含むヘアカラーをする予定がある場合、施術に影響する可能性があるためです。また、染まるシャンプーをふだん使っている場合は美容師さんにその旨を知らせるようにしましょう。

️効果を求めるなら「染まるトリートメント」

 美容師目線では、「白髪が染まるシャンプー」よりも「白髪が染まるトリートメント」の方がオススメです。商品によっては、しっかり色が付くことが実感できると実証されているからです。しかし、これらも「染まるシャンプー」と同じく、表面に色素付着するだけなので、シャンプーによって徐々に褪色することは忘れないでください。

 そして、染まるトリートメントに関しても染まるシャンプー同様、使用する際の注意点があります。

▼ちゃんとやれば染まるものの、これは「手軽」なのか?

 染まるトリートメントは、「ケチらずしっかりと塗布すること」が特に重要です。トリートメントは粘性が高いので、白髪を埋めるような塗布もしやすいです。ですが、しっかり染まるが故に、塗布が甘くなると「染まった部分」と「染まらなかった部分」の差が激しくなり、染まりムラが目立ってしまいます

 きれいに染めるには、「染めたい根元」に溶液をしっかり付けることを意識するのもポイントですが、実際には少し難しい工程です。美容師のようにハケなどで付けるのが理想ですが、お風呂場では手で付けることになるかと思います。

 その場合、毛先に溶液が付かないよう気をつけるのが上手に染めるコツです。たとえば塗布中、髪に手ぐしを通してしまい、溶液が毛先にまで伸びてしまうと、根元が上手く染まらない上に、染まる必要のない毛先の方が濃く着色されてしまいます。

 また、既定の通り時間を置かないと効果は薄くなります。しっかり染めるには、最低でも15〜20分が必要とされているため、その時間はお風呂場で待機することになります。

2023.10.29(日)
文・イラスト=操作イトウ