メトロポリスの鳥瞰図を心ゆくまで眺めたい
最上階の45階へと昇れば、そこに広がるのが「ブルガリ バー」。
伊藤若冲の《鳥獣花木図屏風》を想起させるモザイク画を背負ったカウンター、そして明るい陽光とさわやかな風を感じる屋上テラスは、まるで地中海の庭園にいるかのような雰囲気に浸らせてくれる。正午から深夜12時まで、通しで営業しているのも嬉しい。
ゲストルームでは、別格のくつろぎを満喫することができる。最低でも51平米の広さを確保した各客室の大きなガラス窓から望むのは、雄大なメトロポリスの鳥瞰図。
しばし憂き世の些事を忘れ、天界の住人となった気分に耽溺してみたい。時には、富士の頂すら目にすることができよう。
各所にあしらわれた調度品には、さりげないリュクスな感覚が溢れている。
ベッドサイドを照らすのは、ブルガリのマスターピースとして愛される銀のキャンドルホルダーに想を得たランプ。
そして、元禄年間より続く京都は西陣の名店「細尾」が織り上げたベッドカバー、福岡発のハイセンスな工房「リッツウェル」の手がけた渋いダークオークの家具など、本邦の誇るクラフツマンシップも花を咲かせる。
洗練を極めたデザイン、愉悦のガストロノミー、真摯なホスピタリティ……。天空の楽園で、未知のステイを堪能したい。
ブルガリ ホテル 東京
所在地 東京都中央区八重洲2-2-1
電話番号 03 6262 3333
客室数 98室
料金(1室) 250,000円~
https://www.bulgarihotels.com/ja_JP/tokyo
Column
CREA Traveller
文藝春秋が発行するラグジュアリートラベルマガジン「CREA Traveller」の公式サイト。国内外の憧れのデスティネーションの魅力と、ハイクオリティな旅の情報をお届けします。
2023.10.16(月)
文=下井草秀
撮影=嶋崎征弘